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相続放棄の手続とは?必要書類も解説

最終更新日 2026年 02月24日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

相続放棄の手続とは?必要書類も解説

この記事を読むとわかること

相続放棄は、亡くなった方の財産や借金を一切引き継がないための手続です。

借金が多い場合や、相続人同士のトラブルを避けたい場合に選ばれます。

相続放棄の手続には期限があり、必要書類を揃えなければならないなど、注意点があります。

この記事では、相続放棄の概要や手続きに必要な書類、手続きの流れなどについて分かりやすく解説します。

相続放棄とは

相続放棄とは、相続人が自分の意思で相続しないことを選ぶ制度です。

財産だけでなく、借金などの負担も引き継がないことが相続放棄の特徴です。

まずは、相続放棄の法的効果や、他の選択肢との違いについて解説します。

相続放棄の法的効果

相続放棄をすれば、最初から相続人ではなかったものとして扱われます。

そのため、亡くなった方の預貯金や不動産などの財産を受け取ることはできません。

それと同時に、借金や未払い金などの負債も引き継がずに済みます。

ただし、プラスの財産だけを受け取り、マイナスの財産だけを避けるという選択はできません。

原則的に、全てを引き継がないことが相続放棄です。

また、相続放棄には家庭裁判所での手続きが必要です。

期限内に正式な申述を行わなければ、法律上の相続を承認したとみなされる場合があります。

単純承認・限定承認との違い

相続には、相続放棄以外にも「単純承認」や「限定承認」という選択肢があります。

単純承認は、財産も借金も全てを引き継ぐ方法です。

特別な手続をしない場合や、相続財産を処分した場合には、単純承認をしたとみなされることがあります。

一方、限定承認は、相続によって得た財産の範囲内でのみ借金を返済する方法です。

借金がどれくらいあるか分からない場合に検討される方法です。
ただし、限定承認は相続人全員で行う必要があり、手続も複雑です。

相続放棄が選ばれる主なケース

相続放棄は、借金がある場合だけに選ばれるものではありません。

相続放棄が選ばれるよくあるケースは、以下の通りです。

一つずつ詳しく解説します。

マイナスの相続が多い場合

マイナスの財産が多い場合、相続放棄は有効な選択肢です。

相続では、預貯金や不動産だけでなく、消費者金融からの借入れや未払いの税金なども引き継ぐことになります

プラスの財産より借金などのマイナスの財産が多ければ、相続人が自分の財産で返済しなければならない可能性があります。

亡くなった後に初めて借金の存在が分かることも少なくありません。

全ての借金を把握しきれていない場合でも、相続放棄をすれば返済義務を負わずに済みます。

マイナスの相続に対する不安がある場合には、早めに状況を確認することが大切です。

相続人同士のトラブルを
回避したい場合

相続をきっかけに、親族間で対立が生じることがあります。

不動産の分け方やお金の使い込みを巡り、争いになるケースも珍しくありません。

関係が複雑な場合や、話し合いに関わりたくない場合には、相続放棄をすることで手続きから離れることができます

相続人から除外されるため、遺産分割協議に参加する必要もありません。

こうした相続人同士によるトラブルで精神的な負担を軽くしたいという理由で、相続放棄が選ばれることもあります。

ただし、放棄をすると他の相続人に影響が出るため、事前に状況を理解しておくことが重要です。

管理負担を避けたい場合

土地や空き家などの不動産を相続すれば、維持管理の責任が生じます。

固定資産税の支払いや建物の管理・修繕、近隣への配慮など、思った以上に負担がかかることも多いです。

遠方に住んでいる場合や、不動産活用の予定がない場合には、管理が大きな重荷になることもあるでしょう。

不動産によっては引き取り手がなかなか見つからず、売却活動に苦戦すれば維持費の負担が重くなります。

維持にかかる手間や費用も考慮し、相続放棄するという選択肢を検討するケースもあります。

相続放棄に必要な書類一覧

相続放棄をするには、家庭裁判所へ書類を提出する必要があります。

書類が不足していると手続きが進められないため、あらかじめ必要な書類を確認して準備することが大切です。

ここからは、相続放棄で必要になる書類について解説します。

全員共通で必要な書類

相続放棄をするには、必要書類を準備する必要があります。

これらの書類は、相続放棄の手続きにおいて基本的に必要なものです。

主に必要な書類は、以下の3点です。

  • 相続放棄申述書
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 申述人の戸籍謄本

相続放棄申述書は、家庭裁判所に提出する正式な申請書です。

申述人の情報や、亡くなった方との関係を記入します。

被相続人の住民票除票や戸籍附票は最後の住所や戸籍を確認するために使われ、申述人の戸籍謄本は相続人であることを証明します

これらの書類を揃えておくことで、手続きがスムーズに進みます。

相続人の立場別に
追加で必要な書類

相続人の立場によって、家庭裁判所に提出する書類は一部異なります。

立場ごとに追加で必要になる書類は、以下の通りです。

一つずつ詳しく解説します。

配偶者の場合

配偶者が相続放棄をする場合、共通書類に加えて必要になる書類はほとんどありません

ただし、婚姻関係を証明する戸籍謄本や、配偶者であることを示すための住民票などが必要になる場合があります。

家庭裁判所によって細かい書類指定があることもあるため、提出前に確認しておくことが大切です。

子供の場合

子供が相続放棄をする場合も、基本的には共通書類が中心です。

ただし、親子関係を示すために、被相続人と申述人の戸籍を揃える必要があります。

とくに離婚や再婚など家庭事情が複雑な場合は、戸籍の確認が増えるため注意が必要です。

また、子どもが複数いる場合は、全員がそれぞれ手続きを行わなければなりません。

代襲相続人の場合

代襲相続人とは、亡くなった相続人の代わりに相続権を持つ人のことです。

代襲相続人が相続放棄をする場合は、共通書類に加えて親(本来の相続人)との関係を示す戸籍が必要です。

複数世代に渡る戸籍を揃えることもあり、取得に時間がかかる場合があります。

代襲相続人の手続きが複雑になるため、家庭裁判所に事前に確認して書類を準備すべきでしょう。

兄弟姉妹の場合

兄弟姉妹が相続放棄をする場合は、共通書類に加えて、被相続人との親子関係を証明する戸籍を全て揃える必要があります

兄弟姉妹は代襲相続よりもさらに戸籍の範囲が広く、出生から死亡までの全ての戸籍を確認するケースが多いため、取得に時間と手間がかかります。

そのため、兄弟姉妹が相続放棄を検討する場合は、早めに戸籍の収集を始めるべきです。

書類取得時に注意すべき点

相続放棄に必要な書類は家庭裁判所に提出するため、正確に揃えなければなりません。

手続きをスムーズに進めるためにも、書類取得の際に注意すべき点を事前に確認しておきましょう。

取り寄せ方法

戸籍や住民票の多くは、郵送で取り寄せることが可能です。
また、コンビニエンスストアで取得できる書類もあります。

遠方の役所に出向く必要がなく、手間を減らせます。

ただし、郵送で請求する場合は、請求書類、手数料、返信用封筒を正確に揃える必要があります。

また、郵送のやり取りは時間がかかるため、手続きの期限を意識して早めに請求するようにしましょう。

有効期限について

戸籍や住民票には、発行から一定期間の有効期限を設けている裁判所があります。

古い書類を提出すると、追加で再取得を求められる場合があるため注意が必要です。

通常、発行から3か月以内の書類が求められることが多く、取得後は速やかに申述書と一緒に提出することが推奨されます

手続きの進行状況や裁判所の指定を事前に確認しておくことで、スムーズに手続きを終えられます。

相続放棄の手続きの流れ

相続放棄は家庭裁判所で手続きを行う必要があり、順序を守って手続きを進めていきます。

手続きの大まかな流れと注意点は、以下の通りです。

必要書類の収集
⬇︎
申述書の提出
⬇︎
照会書への回答
⬇︎
受理通知の到着

必要書類の収集

相続放棄をするには、まず必要書類を揃えることから始めます。

前項で紹介した共通書類に加え、立場別の追加書類も確認しておきましょう。

書類の不備や不足があれば、家庭裁判所から追加提出を求められ、手続きが遅れてしまいます

取得方法や郵送の可否、発行からの有効期限なども事前に確認し、期限内に全てを準備することが大切です。

申述書の提出

必要書類を揃えたら、家庭裁判所に相続放棄申述書を提出します。

提出方法は窓口持参だけでなく、郵送でも受け付けてもらえる場合があります

申述書には、申述人の氏名や亡くなった方との関係、放棄の意思を正確に記入します。

記載内容に不備があると受理されないため、事前に裁判所の注意事項を確認しておきましょう。

照会書への回答

申述書提出後、家庭裁判所から内容確認のために照会書が送られることがあります。

これは申述書の記載内容や添付書類についての質問で、回答を返すことで手続きが進みます

期限内に回答しなければ手続きが滞ってしまうため、注意が必要です。

照会書は複雑ではないことが多いですが、不明点があれば弁護士に相談することで誤解なく手続きを進められます。

受理通知書の到着

家庭裁判所で書類が確認されれば、相続放棄の受理通知書が届きます。

これにより、相続放棄が正式に成立したことが証明されます

受理通知書は、借金や財産を引き継がないことの証明として重要です。

万が一、今後の相続や債権者とのやり取りで必要になる場合もあるため、大切に保管しておきましょう。

受理通知書が届けば、相続放棄手続きの一連の流れは完了です。

相続放棄で注意すべきポイント

相続放棄は便利な制度ですが、手続きや行動を誤れば放棄できなくなる場合があります

相続放棄において、事前に知っておくべきポイントを紹介します。

一つずつ詳しく解説します。

財産を処分すると
放棄できない場合がある

亡くなった方の財産を勝手に処分すれば、法律上「相続を承認した」とみなされることがあります

例えば、預貯金を引き出したり、不動産を売却したりすると、放棄の手続きが認められなくなる可能性があります。

財産を扱う前に、放棄の意思を明確にして必要な手続きだけを進めることが重要です。

誤って相続放棄の手続きの前に処分してしまえば、借金などの負債も引き継ぐことになりかねないため注意が必要です。

他の相続人への影響も考える

相続放棄をすれば、相続人全体の順位に影響があります

例えば、自分が放棄すると次の順位の相続人に権利が移ります。

また、兄弟姉妹や子供の立場でも、誰が放棄するかによって財産の分配や借金の負担が変わります。

事前に相談することなく相続放棄し、他の相続人の借金の負担が増えれば、トラブルに発展するかもしれません。

そのため、相続人同士で事前に話し合い、放棄後に発生する影響を理解しておくことが大切です。

相続放棄後の撤回は
原則できない

相続放棄が家庭裁判所で受理されれば、原則として撤回はできません

そのため、財産や借金の状況を確認せずに放棄してしまうと、受け取れる可能性のある財産も失うことになります。

やむを得ない事情がある場合に限り、裁判所に申請して撤回できることもありますが、認められることは難しいです。

相続放棄の判断は慎重に行い、必要に応じて弁護士に相談することが安全です。

相続放棄の手続のまとめ

相続放棄は、借金や財産管理の負担を避けたい場合に有効な手続きです。

しかし、期限や書類の不備などで手続きが進まないこともあります。

誰がどの書類を用意すべきか、手続きの流れや注意点を事前に理解しておくことが大切です。

とくに財産の処分や相続人間の影響、撤回の制限など、知識がないまま進めると思わぬトラブルになることもあります

相続放棄を検討する場合は、手続きや書類の確認を弁護士に相談することで安心して進められます。

相続放棄の手続きで不安や疑問がある場合は、弁護士にご相談ください。

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