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遺産相続を弁護士に相談する16のメリットと注意点

最終更新日 2025年 12月05日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

遺産相続を弁護士に相談する16のメリットと注意点

この記事を読むとわかること

遺産の相続となると、期待と同時に、こんな疑問や不安を感じることがあるかもしれません。

☑︎相続の何から手をつけたらいいのか、
わからない……。

☑︎相続では遺言書が大切と聞いたけど……なぜ?

☑︎遺言書が見つかったら、
どう扱ったらいいんですか?

☑︎遺書は見つからなかったけれど、
どうやって遺産を分けたらいい?

☑︎自分は相続人なのか、
相続割合はどのくらいなのか知りたい。

☑︎相続で損はしたくない、
親族でもめたくない!
どう対応すればいいですか?

☑︎遺言書の内容が不公平で
納得がいかない。

☑︎兄弟姉妹で、もめています。
遺産分割で収拾がつきません……。

☑︎親の借金まで相続したくないの
だけれど……どう処理すればいい?

☑︎そもそも相続について、
ほとんど知識がありません……困った。

☑︎遺産相続で困った時は誰に
相談したらいいの? 弁護士?

☑︎弁護士費用って、やはり高いんでしょ?

☑︎弁護士に遺産相続を相談するメリットは何ですか?

「遺産相続」は法律・税務・人間関係が複雑に絡み合うため、当事者で解決するには難しい状況が多く発生します。

そこで今回は、こうした相続に関する疑問についてお答えします。

まず、遺産相続を弁護士に相談するべき理由、そして弁護士に相談するメリットについて解説していきます。

  • 遺産相続トラブルを未然に防ぎ、
    もし問題が起きたなら速やかに
    解決することが大切です。
  • 弁護士に相談することで、「法律的な
    安心」、「親族間の円滑な関係」、
    「税務の正確な処理」(相続税の申告は税理士に依頼することになります)、「精神的な負担軽減」が得られます。

そのための知識と対処法をいっしょに考えていきましょう!

目次

遺産相続は弁護士に
相談するべきなのか?

遺産相続は法律の問題

遺産相続は家族や親族の間だけの問題ではありません。

なぜなら、法律が関わってくるからです。

たとえば、次のような疑問やお悩みは、法的な知識がないと解決できません。

  • 自分が法的な相続人かどうかの確認
  • 相続できる割合の確認
  • 遺言書が見つかった場合のあつかい方
  • 遺言書の有無や内容の重要性
  • 遺言書がない場合の遺産分割の方法と
    手続き
  • 親の負債(借金など)のあつかい方
  • 不動産の分割方法
  • 親族間の相続トラブルの解決
  • 相続税の申告漏れ回避 など

非弁行為は法律で
禁止されている

弁護士法では「非弁行為」は禁止されています。

非弁行為とは、次のようなことをいいます。

☑︎弁護士ではない者が、報酬を得る目的で、訴訟事件に加え、当事者間で既に紛争が発生している事案や、将来紛争が発生する可能性が高い(あるいはほぼ避けられないような)事案について、法律相談を行なったり、代理人として交渉を行なったりする行為を、業とする(繰り返し行なっている、あるいは初回であるとしても繰り返し行なう予定で行なう)こと。

法律の専門家といえば、弁護士です。

すなわち、遺産相続での疑問・問題を法的に処理・解決することは弁護士しかできないのですから、弁護士に相談するのがもっとも近道で確実な解決方法になるわけです。

弁護士の得意分野は?

遺産相続において、弁護士は相続手続き全般の相談に対応することができます。

弁護士が対応できることの例

  • 生前対策全般(税金に関すること以外)
  • 相続法に基づく判断とアドバイス
  • 書類作成の代行など種々の手続きの代行
  • 相手側への連絡の仲介
  • 和解に向けた協議、調停、訴訟の代理人としての業務 など

こうした業務の中でも、相続に関するトラブルが発生している場合の相談者の代理業務は弁護士にしかできないことを覚えておいてください。

親族間トラブルで弁護士しか
扱えない場合の例

  • 遺言書の有効性を争う場合
  • 遺産分割の割合などで不公平が生じている場合
  • 共同相続人や受遺者などとの間で争いがある場合
  • 共同相続人に遺産の使い込みや横領がある場合 など

遺産相続の手続きと流れを
フローチャートで確認

まずは、遺産相続の手続きと流れをフローチャートで確認しましょう。

相続開始(被相続人の死亡)
⬇︎
相続人の調査/確定
⬇︎
遺言書の有無を確認
※ある場合➡️家庭裁判所の検認➡️遺言の執行
※ない場合➡️相続放棄・限定承認・単純承認の決定(3か月以内)
⬇︎
準確定申告
※納税者が亡くなった場合の確定申告は
4か月以内に行なう
⬇︎
遺産の範囲・内容の確定
⬇︎
遺産の内容・金額の調査・評価・鑑定
※・各銀行での全店照会、残高証明書発行
 ・証券保管振替機構への開示請求
 ・市区町村役場での名寄帳・課税台帳の閲覧(不動産の調査)
 ・個人信用情報機関への開示請求
(負債の調査) など

⬇︎
遺産分割協議
※合意に至らない場合は遺産分割調停・審判に進む
⬇︎
相続税の申告・納税
※相続税の申告書の作成➡️納税資金準備➡️
延納・物納の検討
※10か月以内

遺産相続を弁護士に相談する
16のメリット一気読み

遺産相続を弁護士に相談するメリット一覧

  1. 相続人の調査を相談・依頼できる
  2. 遺言が有効かどうか判断してもらえる
  3. 遺言書が無効な場合の対応・解決を
    依頼できる
  4. 遺産の範囲・内容の調査を依頼できる
  5. 弁護士に遺言執行者に就任してもらえる
  6. 負債が多い場合の相続の判断を相談できる
  7. 不動産をスムーズに処理できる
  8. 遺産分割協議についても相談できる
  9. 遺産分割調停の代理人を依頼して
    適切にまとめてもらえる
  10. 遺産分割審判では有利な条件で
    解決してもらえる
  11. 相手側が弁護士を立ててきた時の対応を
    依頼できる
  12. 遺留分の受け取りについて相談できる
  13. 遺留分侵害額請求を依頼することが
    できる
  14. 相続税対策や申告のサポートが
    受けられる(申告は税理士)
  15. 手続きの期限を守れる
  16. 精神的な負担を軽減できる

では、上記の「遺産相続フローチャート」に沿って、ここでは遺産相続を弁護士に相談するメリットについて一気に見ていきましょう。

相続人の確定では……

メリット①
相続人の調査を
相談・依頼できる

相続が開始した際、誰が法定相続人なのかを確定しなければいけません。

たとえば被相続人には、妻と子(2人)という家族構成の場合、相続人は「妻」「子供A」「子供B」の3人になるので、わかりにくいことはありません。

しかし、離婚していて別の家庭をもっている場合や別居をしていて内縁の妻がいたり、その間に子供(婚外子)がいる場合などは複雑になってきます。

両親が離婚している場合、子供は両親それぞれの相続人になります。

妻が子供の親権をもっていて再婚した場合で、再婚相手がこの子と養子縁組した場合、子は実親と養親それぞれの相続人になります。

ただし、養子縁組をしていない場合は相続人にはなりません。

こうしたケースでは、被相続人の戸籍謄本などを取得して調査しなければなりません。

また、相続人のうち連絡がつかない、行方不明な兄弟姉妹がいるといったケースもあります。

後々、遺産分割協議を行なう場合は相続人全員の合意が必要になるため、相続人が一人でも欠けた遺産分割協議は無効になってしまうので注意が必要です。

いずれにしても、弁護士に相談して相続人の調査を依頼することも検討するのがいいでしょう。

【関連動画】

遺言書については……

メリット②
遺言が有効かどうか
判断してもらえる

遺産相続ではまず、遺言書があるかどうかが重要なポイントになります。

自筆証書遺言」は被相続人自らが書いた遺言書ですが、方式や内容に誤りなどがあった場合は無効になってしまいます。

そこで遺言書が見つかった場合、弁護士であれば遺言書が有効なものであるかどうかを法的に判断することができます。

なお、法務局が自筆証書遺言を保管してくれる制度があるので利用すると良いでしょう。

ただし、この制度を利用している場合は、法務局でも検索する必要があります。

また「公正証書遺言」の場合、平成元年(1989年)以降に作成されたものは、最寄りの公証役場に行けば検索することができます。

いずれにしても、遺言書の確認全般については弁護士に相談されるといいでしょう。

メリット③
遺言書が無効な場合の
対応・解決を依頼できる

遺言が有効になるための法律の要件(さまざまな要件があります)を備えていない場合、たとえば遺言書の日付けが被相続人が認知症になった後の日付けのため、意思能力を喪失したと判断されるケースなどでは、遺言書そのものが無効と判断されてしまいます。

しかし、たとえば遺言書で遺産をもらえると記載してある人は、遺言が無効の場合でも「遺言は有効だ」と法定相続人に対して主張し、争ってくる可能性があります。

その場合、話し合いでまとまらないなら裁判での決着になるので弁護士への相談は必須となるでしょう。

メリット④
遺産の範囲・内容の調査を
依頼できる

遺産相続をするには、遺産の範囲や内容を確定する必要があります。

こういった調査も弁護士に相談したり、依頼しておまかせすることもできます。

メリット⑤
弁護士に遺言執行者に
就任してもらえる

遺言が有効な場合でも、さまざまな手続きが必要になる場合があります。

たとえば、「不動産の登記移転」や「株の名義の書き換え」などでは「遺言執行者」が手続を行なうことになるのですが、手間のかかるものです。

その場合、弁護士に遺言執行者に就任してもらい、手続きを依頼することもできます。

相続するかどうか
迷った時は……

メリット⑥
負債が多い場合の
相続の判断を相談できる

相続ではプラスの財産だけでなく、借金などマイナスの負債も引き継ぐことになります。

財産の調査の結果、負債があることがわかったら「相続放棄」や「限定承認」をするかどうかの判断、また家庭裁判所への手続きなどについて弁護士に相談することができます。

メリット⑦
不動産をスムーズに処理できる

家や土地などの不動産は相続人が複数いる場合は分けにくく、売却や共有名義でしばしば問題が発生します。

弁護士に不動産の処理(売却)を相談すれば、最適な解決策を提案し、対応してくれます。

遺産分割協議は
もめてしまうこともあるが……

メリット⑧
遺産分割協議についても
相談できる

メリット⑨
遺産分割調停の
代理人を依頼して
適切にまとめてもらえる

メリット⑩
遺産分割審判では
有利な条件で解決してもらえる

相続人が確定し、遺産の範囲が決まったら、相続人全員で遺産分割協議をすることになります。

法律上どのように分けるかなど弁護士の助言を受けながら遺産分割協議を進めていくのがよいでしょう。

なお、遺産分割の仕方によっては「配偶者控除」など税務上の優遇措置もあるので、弁護士の他、税理士にもあわせて相談することをおすすめします。

そして、協議で合意に至らない場合は、遺産分割調停、さらには遺産分割審判へと進む可能性があります。

その際には、法的な主張や証拠提出などが必要となる場合が多いので、弁護士に依頼して進めていくべきだと思います。

【関連動画】

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相手側が弁護士を
立ててきたら……

メリット⑪
相手側が弁護士を
立ててきた時の対応を
依頼できる

遺産分割に際して、相手側(他の相続人)が遺産分割協議を拒否して、話し合いをしたくない場合などでは弁護士を立てて対応してくることがあります。

ある日突然、相手側の弁護士から「今後は直接本人に連絡せず、代理人である弁護士◯◯宛てにご連絡ください」といった内容の手紙が届く場合が多いです。

この場合、一人で弁護士に対応するのは限界があるため、弁護士を立てて双方の弁護士同士で解決に向けたやり取りをしてもらうのがいいでしょう。

【関連動画】

不公平な遺言・遺産分割で
損をしないためには……

メリット⑫
遺留分の受け取りについて
相談できる

メリット⑬
遺留分侵害額請求を
依頼することができる

被相続人が遺した遺言書の内容が他の相続人などにとって有利で、自身にとって不公平な内容であるケースがあります。

たとえば、「遺産はすべて長男に相続する」とか、「遺産の半分は内縁の妻に渡す」といったような場合です。

法定相続人であれば当然、遺産を受け取る権利がありますが、遺言書の内容が優先されるため、「どうすればいいのか……」と途方に暮れたり、怒りが収まらないといった方もいらっしゃいます。

その場合は、最低限の割合を法定相続人が受け取ることができる「遺留分」という制度が民法で定められており、請求することができます。

遺留分について知らなければ、泣き寝入りしてしまうケースもあるので、遺言書の内容が不公平な場合は、速やかに弁護士に相談してください。

すると弁護士は相手側に「遺留分侵害額請求」を行ない、あなたが遺留分を受け取るために適切な法的対応をとってくれます。

これも弁護士に相談・依頼する大きなメリットになります。

納税は面倒だし
忘れてしまいそう……

メリット⑭
相続税対策や申告の
サポートが受けられる

相続の手続きの中には、相続税の申告もあります。

相続税の申告の専門家は税理士です。

しかし、相続税の申告にあたって法律問題が絡む時などは、弁護士に相談すれば税理士と連携して法律上のアドバイスを受けられるため安心です。

メリット⑮
手続きの期限を守れる

相続放棄や限定承認は3か月以内、相続税申告は10か月以内という期限があり、遺留分侵害額請求にも時効がありますが、弁護士に依頼すれば期限管理も安心です。

精神的な負担から
解放されたいなら……

メリット⑯
精神的な負担を軽減できる

遺産の相続は、親の死との向き合い、複雑な相続手続き、兄弟姉妹など親族間での相続トラブルなど、精神的にも肉体的にもつらい作業でもあります。

遺産分割やさまざまな手続きを弁護士に任せてしまえば、ストレスなどの精神的負担を軽減でき、日常生活を安心して過ごすことができます。

遺産相続を弁護士に相談する時の
3つの注意点

ここまで、遺産相続を弁護士に相談するメリットについて解説してきましたが、最後に相談する時の注意点についてもお話します。

相談と依頼は別ものだと
認識する

弁護士への相談と依頼は違う、ということを認識してください。

たとえば、みらい総合法律事務所ではいつでも相談をお受けしていますが、初回面談は無料です(相談できる内容かどうかはお問い合わせください)。

まず、無料相談を受けてみて、信頼できる弁護士だと思われたら正式に依頼していただきます。

相談をしても依頼はしなくてよい、ということを理解していれば、安心して弁護士に相談できるでしょう。

弁護士費用について確認する

面談の際には、依頼した場合の弁護士費用を必ず確認してください。

そして、後々のトラブルを回避するためにも契約する際には契約書に弁護士費用について明記してもらうようにしてください。

相続問題に精通した弁護士に
相談・依頼する

相談・依頼する場合は、相続問題に精通した弁護士を選んでください。

医師には専門分野があるように、やはり弁護士にも専門分野や得意分野があります。

風邪をひいた時に整形外科を受診しないように、相続の問題を刑事事件専門の弁護士に相談はしないでしょう。

また、インターネットで弁護士を検索する場合も多いと思いますが、その場合の注意ポイントについて解説した記事もご用意していますので、ぜひ参考にしてください。

弁護士法人みらい総合法律事務所は全国対応で、随時、無料相談を行なっています(事案によりますので、お問い合わせください)。

もちろん、秘密厳守ですから安心してご相談ください。

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