遺言書を撤回、変更できるか?
遺言書について、こんな疑問を感じることはないでしょうか。
変更してもいいのか」
「公正証書遺言を作成した後でも、
内容を変更できるのか」
「以前の遺言を取り消して
新しい遺言書を作成したいが、
どうすればいいのか……」
遺言書を作成した後、家族関係や財産状況などが変わったために内容を見直したいと考えることは珍しくありません。
結論からいうと、遺言者は生前であれば原則として、いつでも遺言の全部または一部を撤回、変更できます(民法第1022条)。
そして大切なのは、遺言内容を確実に変更したいのであれば、次のポイントを知っておくことです。
- 遺言を撤回して新しい遺言書を
作成するのか、新しい遺言書を
作成することによって撤回、変更
するのか、を決める。 - 現在の意思を反映した新しい遺言書を
法律上の方式にしたがって作成する。 - 以前の遺言との関係を明確にする。
そこで、本記事では次の項目について、できるだけわかりやすく解説していきます。
- 遺言書の種類と効果
- 遺言書の破棄とは?
- 遺言を撤回、変更する
具体的な方法 - 撤回するときの文言
- 撤回行為をさらに
撤回することはできるのか - 遺言書を撤回、変更するときの
注意ポイント
遺言書とは?
財産を遺す人(被相続人)が生前に、自分の財産を「誰に」、「どのように」、「どれだけ」引き継いでもらうかを法的に示す手段が「遺言」で、その内容を文章化して書類にしたものが「遺言書」になります。
遺言書には、「普通方式」と「特別方式」の2方式/計7種類がありますが、ほとんどの遺言書は普通方式のため、ここでは普通方式の3種類について簡単に解説します。
なお、方式を満たさない場合は遺言としての効力が認められない可能性があるので注意が必要です。
自筆証書遺言
- 遺言者自身が作成する遺言書で、「遺言の全文」、「日付」、「氏名」、「押印」を自筆する必要があります。
- なお、現在は、一定の要件を満たした自筆証書遺言について、法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用することもできます。
ご案内(法務省)
- 利用しやすい。
- 手軽に1人で作成を始められるため
自由度が高い。 - 費用を安く抑えられる。
- 公証役場との調整や証人の準備が
いらない。 - 他人に内容を知られない。
<デメリット>
- 自宅保管で遺言者しか知らないと
紛失リスクがある。 - 見つけた人が隠蔽や偽造をする可能性が
ある。 - 書き方や訂正方法に問題や不備があると
無効になる。 - 遺言の有効性が争われやすい。
- 遺言書が見つかったら家庭裁判所での
検認が必要。
公正証書遺言
- 公証人が関与して作成する遺言で、原本は公証役場で保管されます。
- ただし、遺言者の思うとおりに、どのような内容でも作成できるわけではありません。
<メリット>
- 自分で作成する必要がない。
- 確実性、安全性が高い。
- 無効、紛失、改ざんなどのリスクが
低い。 - 遺言者の意思で作成されたことを
証明しやすい。 - 民法上の方式違反が起こりにくい。
- 相続開始後の家庭裁判所の検認が
不要なため相続人の負担が軽い。 - 身体的理由などで自書が難しい人でも
作成できる。
<デメリット>
- 自筆証書遺言より費用が高い。
- 証人2名が必要。
- 証人になれない人(未成年者・
推定相続人・受遺者とその配偶者・
直系血族など)がいる。 - 家族以外に遺言の内容が知られて
しまう。
秘密証書遺言
- 遺言の内容を誰にも知られず、秘密にしたい場合に利用する方式です。
- 遺言内容を秘密にしたまま、遺言書の存在について公証人等の関与を受ける方式ですが、公証人が遺言内容そのものを確認する制度ではないため、内容面や方式面に問題が残る可能性があります。
- 要件など方式が複雑なため、あまり利用されていません。
- なお、必要な要件を備えていない場合でも、自筆証書遺言の要件を備えているなら自筆証書遺言として有効となります(民法第971条)。
詳しい内容については、こちらの記事を参考にしてください。
遺言書の内容は撤回、
変更できるのか?
民法の内容を確認
さて、本記事のテーマである「一度作成した遺言書の内容を後から撤回、変更できるのか」について法的に見てみましょう。
第1022条(遺言の撤回)
遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。
「一度、自筆証書遺言を作成したら、後から内容の変更はできない」ということはありません。
原則として、遺言書は遺言者本人の意思によって何度でも撤回、変更することができるのです。
公正証書遺言も
撤回、変更できる?
「公正証書遺言は撤回できない」ということもありません。
前の遺言を撤回するための遺言は、遺言の方式に従っていればよいので、前の遺言と同一方式である必要はありません。
ですから、以前作成した公正証書遺言は何度でも変更できますし、後で自筆証書遺言により撤回することも可能です。
「公正証書遺言は、公正証書遺言でなければ変更できない」と考えている方もいらっしゃると思いますが、これは誤解です。
撤回や変更のために作成する新しい遺言については、自筆証書遺言か公正証書遺言かという種類は問われないのです。
- 公正証書遺言を新しい公正証書遺言で
変更する。 - 公正証書遺言を自筆証書遺言で
変更する。 - 自筆証書遺言を公正証書遺言で
変更する。
もっとも、公正証書遺言を自筆証書遺言で変更した場合、自筆証書遺言に方式上の不備があると、変更自体の効力をめぐって紛争になる可能性があります。
そのため、財産額が大きい場合や相続人の間で争いが予想される場合には、変更後も公正証書遺言を利用するほうが望ましいといえます。
遺言書撤回の例
たとえば、被相続人が遺言書に次のような内容を記載した場合で考えてみます。
- 自宅を長男Aに相続させる
- 預貯金を長女Bに相続させる
- Cを遺言執行者に指定する
その後、「長女Bには自宅、長男Aには預貯金を相続させることにしたい」と考えが変わった場合には、以前の内容を撤回、変更することができます。
また、「以前の遺言をすべて取りやめ、財産の分け方を全面的に変更したい」という場合には、遺言全部を撤回し、新しい内容で作り直すことも可能です。
遺言書を破棄するとどうなる?
遺言書は破棄できるのか?
遺言者本人が撤回の意思をもって、遺言書原本を故意に破棄した場合はどうでしょう?
第1024条(遺言書又は遺贈の目的物の破棄)
遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。
遺言書を破棄したかどうかは、行為の有する一般的な意味に照らして、遺言の効力を失わせる意思の現れとみることができるかどうか、によって判断します。
過去の判例では、赤色のボールペンで遺言書の文面全体に斜線を引く行為が遺言の撤回と解釈された事例があります(最高裁 平成27年11月20日判決、平成28年重判13事件)。
重要なのは、「遺言者本人が故意に破棄した」という点です。
たんに古くなって破損した場合や火災などによって偶然失われた場合などは、相続人等の第三者が勝手に破棄した場合とは区別されます。
なお、後日の紛争を防止するためには破棄するだけでなく、新しい遺言書を作成することが基本になります。
遺言書を破棄する方法
遺言書を物理的に破棄する方法を考える場合は、遺言の種類ごとにあつかいを分ける必要があります。
自分で保管している
自筆証書遺言の場合
遺言者本人が原本を保管している自筆証書遺言であれば、撤回する意思をもってその原本を故意に破棄することで、民法第1024条による撤回と判断される場合があります。
ただし、実務上は「破棄だけ」で済ませると、遺言がない状態になります。
その状態で遺言者が亡くなり、相続が開始された場合、相続人たちは話し合い(遺産分割協議)のうえで遺産分割をする必要があります。
そのため、自分の財産を自分の意思に従って承継させたい場合は、新しい遺言書を適正な方式で作成するほうが安全です。
法務局に保管している
自筆証書遺言の場合
自筆証書遺言を法務局に預けている場合は、「保管の申請の撤回」という手続きによって、遺言書を返還してもらうことができます。
ただし、ここで重要なのは、「保管申請の撤回」と「遺言自体の撤回」は別物ということです。
保管申請を撤回して遺言書を返還してもらったとしても、それだけで遺言の効力がなくなるわけではありません。
遺言内容を変更するのであれば、古い遺言書の保管申請を撤回したうえで「遺言の撤回」をして新しい遺言書を作成し、改めて保管を申し込む方法などを検討します。
変更するときの注意点>
自筆証書遺言には、法律上の方式が定められています。
現在の民法では、遺言書中の加除その他の変更についても所定の方式があり、方式を守らなければ変更の効力が認められない場合があります。
そのため、古い遺言書に安易に書き加えるのは避けるべきです。
たとえば、「破棄したい部分だけ二重線で消しておこう」、「余白に新しい相続人を書き加えておけばいいだろう」などと自己判断するのは禁物です。
内容を実質的に変更するのであれば、新しい遺言書を最初から作成し直す方が明確な場合が多いといえます。
公正証書遺言の場合
特に注意したいのが公正証書遺言です。
公正証書遺言の原本は公証役場で保管されているので、遺言者が手元に持っている正本や謄本を破ったり捨てたりしただけでは、公証役場に保管されている原本まで破棄したことにはなりません。
公正証書遺言を確実に撤回、変更したいのであれば、新たな遺言を作成して以前の遺言を撤回するか、遺言の対象となっている不動産を第三者に譲渡したり絵画を燃やすなど目的物を処分または破棄することにより撤回することになります。
遺言書の内容を
撤回、変更する方法を解説
新しい遺言を作成して
以前の遺言全部を撤回する
遺言の撤回で、もっともわかりやすい方法の一つは、新しい遺言書を作成し、その中で以前の遺言を撤回することです。
たとえば、
作成した遺言の全部を撤回する」
としたうえで、現在の意思に基づく新しい遺言内容を記載します。
なお法律上、遺言の一部を撤回することもできます。
しかし実務上は、古い遺言書の一部を細かく訂正し続けるよりも、現在の意思を整理した新しい遺言を改めて作成するほうがわかりやすく、相続開始後の紛争を防ぎやすいといえます。
古い遺言と新しい遺言の両方を読み比べなければ最終意思がわからない状態になると、「どの部分が変更されたのか」、「古い遺言のどこまでが変更せず残っているのか」という問題が生じてしまうからです。
以前の遺言を全面的に変更したい場合には、この方法がわかりやすいでしょう。
以前の遺言の一部だけを
撤回、変更する
民法第1022条は遺言全部だけでなく、一部の撤回も認めているため、財産の一部についてだけ考えが変わった場合には、その部分に限定して撤回、変更することもできます。
この場合、たとえば古い遺言書にある「甲土地を長男Aに相続させる」という内容を、新しい遺言書で「令和○年○月○日付け遺言のうち、甲土地を長男Aに相続させる旨の部分を撤回し、甲土地を長女Bに相続させる」と変更します。
これは、後の遺言書に前の遺言を撤回する旨の文言を記載する方法ですが、これにより前の遺言の「不動産を長男に相続させる」の部分の遺言が撤回されたことになります。
新しい遺言で異なる内容を
定める場合/法定撤回
前の遺言と後の遺言が
抵触するとき
新しい遺言書に「以前の遺言を撤回する」と明記していなくても、法的には後から作成した遺言によって、自動的に以前の遺言を撤回したものとしてあつかうことを「法定撤回」といいます。
たとえば、以前の遺言で「自宅を長男Aに相続させる」と記載したものを、後の遺言で「自宅を次男Bに相続させる」、あるいは「第三者Cに遺贈する」と記載するような場合です。
民法第1023条では、前の遺言と後の遺言が抵触するときは、抵触する部分について後の遺言によって前の遺言を撤回したものとみなす、とされています。
したがって、「以前の遺言を撤回する」という文言がなくても、矛盾する範囲について後の遺言が優先することがあるのです。
これは「遺言自由の原則」(遺言者の最終意思を尊重する考え方)を具体化した仕組みとなります。
古い遺言全部が当然に
なくなるわけでは
ないことに注意
たとえば、以前の遺言では「自宅を長男Aに相続させる」、「預貯金を次男Bに相続させる」となっている。
しかし、新しい遺言では「自宅を長女Cに相続させる」とだけ定めているとします。
この場合、新しい遺言と抵触するのは自宅についての部分です。
「預貯金を次男Bに相続させる」という以前の遺言が、新しい遺言と抵触していなければ、その部分は残る可能性があります。
これは、民法第1023条が「抵触する部分について撤回とみなす」としているためです。
この方法では古い遺言のどの部分が残っているのかという問題が起こりやすいため、全面的に変更するのであれば、以前の遺言を撤回する旨を明示するほうが明確です。
法定撤回の詳しい内容については弁護士に相談されることをおすすめします。
遺言書を撤回、変更する
ときの文言について
全部撤回する場合
以前の遺言を全部撤回する場合は、たとえば次のような記載が考えられます。
作成した遺言の全部を撤回する。」
なお、過去に複数の遺言を作成しており、それらをすべて撤回して最新の遺言に一本化したい場合は、「遺言者は、本遺言以前にした一切の遺言を撤回する。」など、以前の遺言との関係を明確にする方法も考えられます。
一部を撤回、変更する場合
一部分だけ撤回、変更する場合には、「どの遺言」の「どの部分」を変更するのかを特定します。
たとえば、「遺言者は、令和○年○月○日付け遺言の第2条を撤回し、次のとおり遺言する。」としたうえで、新しい財産承継の内容を記載する方法があります。
注意するべきポイント
撤回文言だけでなく
「変更後の内容」を明確にする
たとえば、「自宅を長男に相続させるという遺言を撤回する」といった文言だけでは、自宅を最終的に誰に取得させたいのかはわかりません。
変更後の意思が決まっているのであれば、「旧遺言の該当部分を撤回し、自宅を長女に相続させる」というように、最終的な意思まで明確にしておくことが重要です。
普通の文書で「撤回する」と
書くだけでは足りない
民法第1022条では、遺言の撤回についても「遺言の方式に従って」行なうことが定められています。
そのため、たんなるメモや手紙として「以前の遺言を取り消す」と書けば必ず撤回できるかといえば、そういうわけではありません。
撤回、変更のために作成する新しい書面自体が、有効な遺言としての方式を満たしている必要があります。
撤回行為を撤回する場合の注意点
原則として以前の遺言は
自動的には復活しない
遺言を撤回した後に、その撤回した行為(後の遺言等)をさらに「撤回する」という遺言をしたときは、後の遺言は撤回されますが、それにともなって前の遺言が撤回されるわけではないことに注意が必要です(民法第1025条)。
たとえば、次のような場合を考えてみましょう。
「自宅を長男に相続させる」
⬇️
遺言B
「遺言Aを撤回する」
⬇️
遺言C
「遺言Bを撤回する」
このような場合、一見すると、「Bを撤回したのだから、Aが元に戻るのではないか」と思うかもしれません。
しかし、民法第1025条では、民法第1022条から第1024条までの規定によって撤回された遺言は、その撤回行為がさらに撤回されたり、取り消されたり、効力を生じなくなったりしても、原則として効力を回復しないとされています。
つまり、「撤回の撤回=一番最初の遺言の自動復活」とはならないのです。
ただし、「遺言書の記載に照らして遺言者の意思が原遺言書の復活を希望するものであることが明らかなときは、第1025条の法意に鑑み、遺言者の意思を尊重して原遺言の効力が復活する」とした判例があります(最高裁 平成9年11月13日判決、民集51巻10号4144頁)。
以前の内容に戻したいなら
新しい遺言を作る
以前と同じ内容に戻したいのであれば、もっともわかりやすいのは、現在の意思として希望する内容を改めて新しい遺言に記載することです。
たとえば、最終的に、「やはり自宅を長男Aに相続させたい」と考えたのであれば、その内容を最新の遺言に改めて記載します。
このようにすれば、相続開始後に「古い遺言が復活したのか」という解釈の問題が生じることを防ぎやすくなります。
ただし、民法1025条は、撤回行為が錯誤や詐欺、強迫による場合について例外を定めています。
仮に、家族から強く迫られて遺言を変更した、といったような事情がある場合には、早めに弁護士へ相談することが重要です。
放棄することはできるか?>
民法第1026条では、遺言者は遺言を撤回する権利を放棄できないと定めています。
たとえば遺言書に、
「この遺言は今後絶対に変更しない」
「私はこの遺言を撤回する権利を
放棄する」
などと書いたとしても、それによって将来の撤回そのものが禁止されるわけではありません。
なぜなら、遺言は遺言者の最終意思を尊重するための制度だからです。
その後に事情や考えが変わったなら、法律上の方式に従って改めて撤回、変更することができます。
遺言書を撤回、変更するときの
注意ポイントまとめ
できるだけ最新の遺言だけで
意思がわかる状態にする
遺言は何度でも変更できますが、複数の遺言が存在すると次のような問題が生じる可能性があります。
- どれが一番新しいのか。
- どの条項とどの条項が
抵触しているのか。 - 古い遺言のどの部分がまだ有効なのか。
遺言全体を大幅に変更するのであれば、以前の遺言全部を撤回することを明示し、最新の遺言一通から最終意思がわかるように整理するのがいいでしょう。
新しい遺言自体の方式を守る
以前の遺言を撤回するための新しい遺言に方式上の問題があれば、予定していた撤回、変更の効力自体が争われる可能性があります。
遺言は法律によって方式が厳格に定められているため、内容だけでなく作成方法にも注意する必要があります。
財産を正確に特定する
不動産、預貯金、株式などについて変更する場合には、どの財産についての遺言を変更するのかを明確にしておく必要があります。
特に次のような場合は、記載が曖昧だと相続開始後の解釈争いにつながりかねません。
- 不動産を複数所有している。
- 同じ銀行に複数口座がある。
- 非上場株式がある。
- 事業用財産と個人財産が混在している。
遺留分も考慮する
遺言内容を変更すること自体は自由ですが、特定の相続人に財産を集中させた場合には、他の相続人の遺留分を侵害する可能性があります。
「遺言として有効か」という問題と、「遺留分侵害額請求を受ける可能性があるか」という問題は別です。
相続トラブルを防止するのであれば、変更後の遺言について遺留分まで含めて確認しておくことが重要です。
遺言能力を
争われないようにする
高齢になってから遺言内容を大幅に変更すると、相続開始後に次のような主張をされる可能性があります。
進んでいた」
「本人は遺言内容を
理解できていなかった」
「同居していた相続人に
言われるまま変更した」 など
特に、次のようなケースでは注意が必要です。
- 高齢である。
- 認知機能の低下が疑われている。
- 以前の遺言と内容が大きく変わる。
- 一人の相続人だけが大きく優遇される。
- すでに家族間に対立がある。
公正証書遺言の利用や医療記録等の客観的資料の確保なども含め、将来の紛争を想定した対策を検討しましょう。
財産・家族関係が変わったら
定期的に見直す
遺言を作成してから長い期間が経過すると、次のような事情が生じることがあります。
- 遺言に記載した不動産を売却した。
- 預貯金額が大きく変わった。
- 配偶者や子どもが先に亡くなった。
- 孫が生まれた。
- 事業承継の予定が変わった。
- 家族関係が変化した。
こういったケースでは、遺言を書き直すことを検討するのがいいでしょう。
遺言書は「一度作ったら終わり」ではなく、現在の状況に合っているか定期的に確認することが重要です。
抵触するときは?>
民法第1023条2項では、遺言と、その後に遺言者が行なった生前処分その他の法律行為が抵触する場合にも、法定撤回と同様のルールを適用するとしています。
たとえば、「甲土地を長男に遺贈する」という遺言を作成した後、遺言者自身が生前に甲土地を第三者へ売却した場合などでは遺言と後の処分が両立しないため、抵触する部分について撤回とあつかわれることがあるので注意が必要です。
2026年の遺言制度改正にも注意
2026(令和8)年6月17日に遺言制度等の見直しを含む民法等改正法が成立し、同年6月24日に公布されています。
法務省によると、遺言制度については、押印の任意化など一部の改正が公布から1年以内、その他の制度改正が公布から3年以内の政令で定める日に施行される予定です。
今後、実際に遺言を作成・変更する場合には、作成時点で施行されている最新の制度を確認することも重要です。
※本稿は、2026(令和8)年8月24日時点の法令に基づいています。
詳しい内容については弁護士にご相談ください。
みらい総合法律事務所は全国対応で、随時、無料相談を行なっています(事案によりますので、お問い合わせください)。
もちろん、秘密厳守ですから安心してご相談ください。
あなたからのご連絡をお待ちしています。
























