相続に強い弁護士の選び方。ランキングや評判・口コミは信用できない?
どうせ依頼するなら、相続に強い弁護士を選びたいものです。
しかし、法律の素人が相続に強い弁護士を選ぶことは困難です。
インターネット上にランキング、口コミ、評判等がありますが、まず信用できないことを前提に、自分の判断で選ぶ必要があります。
主に以下の観点から選ぶようにしましょう。
・著書
・実績
・人柄
ここでは、相続に強い弁護士の選び方を解説していきます。
目次
相続問題を弁護士に相談すべき理由
遺産相続する場面に直面した場合、相続に関する知識がないため手続をスムーズに進められないことは珍しくありません。
相続問題は当事者だけで解決することが難しい問題です。
相続問題では法律問題のため、専門知識が必要であり、知識がなければ相続で損をしたり紛争トラブルに巻き込まれたりする可能性があります。
まずは、相続問題を弁護士に相談すべき理由からみていきましょう。
相続で損をしないためにサポートしてもらえる
遺産相続では、知識がなければ相続人が不利益を被るようなことがあります。
相続問題は日常的に起こるものではないため、一般の方は相続に関する知識を持っていません。
遺産を法定相続分でそのまま分配してしまい、不公平が生じるようなこともあるでしょう。
また、他の相続人に言いくるめられてしまい、本来取得できる財産を相続できないまま手続きが終わってしまうようなこともあります。
弁護士に相談すれば、依頼主の利益が最大化されるようにサポートしてくれます。
もしマイナスの財産がある場合でも、限定承認という方法でプラスの財産の範囲内のみで相続する手続を進めることが可能です。
代理人として交渉を任せられる
相続人が複数いる場合、遺産分割協議という話し合いが設けられます。
親族同士だからといってスムーズに話し合いが進むとは限りません。
場合によっては相続人同士が感情的になったり、相続の取り分を各自が自由に主張したりすることで、協議が難航することもあります。
しかし、弁護士に依頼をしていれば、代理人として協議での交渉を任せられます。
弁護士は第三者として冷静に話し合いを進め、相続の法的な知識を持って的確な主張を行えます。
手続きの手間や時間を省ける
相続手続きをするには、まず相続人の範囲の確定を行います。
相続人の範囲の確定には被相続人の戸籍を出生時まで遡って取得しなければならず、手続きに手間と時間がかかります。
さらに、遺産調査や遺産分割協議、遺産分割協議書の作成なども行う必要があります。
こうした手続きは期限もあるため、期限内に手続きを進めなければなりません。
弁護士ならば法的手続きに慣れていることや知識もあるため、スムーズに相続手続きを代理人として進められます。
手続の手間や時間を省けることで、依頼主は精神的負担も軽減されるでしょう。
・遺産相続を弁護士に相談する12のメリットと注意点
相続問題は相続に強い弁護士を選ぶべき
相続問題には法的な知識や手続きが必要になるため、弁護士は非常に心強い味方になってくれます。
しかし、弁護士ならば誰でもいいというわけではありません。
弁護士と一言でいっても、それぞれ得意な分野や専門分野が異なります。
離婚問題を専門に扱う弁護士もいれば、交通事故問題を中心に担当しているという弁護士もいます。
もちろん弁護士なので法律に精通しているという点では同じですが、専門分野外の法的な問題は詳しい知識を持ち合わせていないことが予想されます。
問題解決の実績も少ないため、有利にサポートしてもらえない可能性があるでしょう。
そのため、日常的に相続問題を取り扱う弁護士に相談した方が、知識や実績面で信頼できるといえます。
弁護士はどうやって探せばいいのか?
相続問題を弁護士に相談したいと考えた場合、どのように弁護士を探せばよいのでしょうか?
知り合いの弁護士がいない場合に、弁護士を探す方法には、次の3つの方法が考えられます。
知人からの紹介
相続問題を過去に弁護士へ相談したことがあるという知人が周囲にいる場合、知人から弁護士を紹介してもらうというケースもあるでしょう。
知人の紹介であれば、初めての依頼でも安心感があります。
しかし、知人の紹介という関係上、その弁護士との相性が悪い場合、弁護士を変更しにくいという点がデメリットになります。
また、相続事案をあまり扱ったことのない弁護士の場合、不安になることもあるでしょう。
弁護士会に紹介してもらう
弁護士会とは弁護士法によって定められた法人で、弁護士が会員として構成される団体です。
地方裁判所の管轄区域ごとに弁護士会が設立されているため、住まいの近くの支部や法律相談センターなどで相談することができます。
弁護士会では有料の法律相談や、相談後の弁護士の斡旋を行っています。
弁護士を紹介してもらうための方法として安全性は高いですが、自分で弁護士を選べないという点がデメリットです。
また、必ずしも相続を得意とする弁護士を紹介されるわけではなく、自分で弁護士会に紹介登録をした弁護士が紹介される、ということに注意が必要です。
インターネットで探す
もっとも手軽な方法として、インターネットで検索して探すという方法が挙げられます。
空き時間など片手間でも探せるという点がメリットです。
「相続」「弁護士」などのキーワードで検索をかければ、多くの弁護士事務所のホームページや、弁護士の総合検索サイトなどを見つけられます。
ただし、弁護士事務所が多すぎてどのように選べばいいのか分からないと頭を悩ませる方もいるでしょう。
弁護士事務所のホームページは基本的に良いことを書いてあるため、どのホームページも同じように見えてしまうかもしれません。
ホームページのデザインなどに左右されるのではなく、実績など書いている内容をしっかりと確認することが大切です。
弁護士のランキングや評判・口コミは信用できるのか?
弁護士事務所のランキングや評判・口コミを掲載しているウェブサイトも多く存在するため、弁護士探しでは参考にする方も少なくありません。
しかし、こうしたランキングや評判・口コミは本当に信用できるのでしょうか?
まず、弁護士会では、弁護士のランキングなどの評価は一切していません。
そして、相続について、複数の弁護士に依頼してその結果を評価をすることもできません。
なぜなら、相続事案は、個別性が強く、別の事件についての結果を比較することができないからです。
したがって、ランキングはまず信用できないと思った方がよいでしょう。
また、弁護士をまとめて紹介しているインターネットサイトは、広告業者であることが多いです。
弁護士から広告料を支払ってもらってその弁護士を紹介していることが多いので、この点も注意が必要です。
また、こうしたランキングや評判・口コミはあくまでもユーザーの主観的な意見であり、感じ方は人それぞれ異なります。
例えば、ネットで評判の高いレストランへいざ足を運ぶと、「あまり美味しくなかった」「接客の対応が良くなかった」などということは起こり得ます。
これと同様に、弁護士事務所に対してもユーザーがどのように感じるのかは人それぞれ異なるといえます。
味覚ならまだ良いですが、弁護士の場合、人対人です。
自分と合わないだけで、評価は低くなってしまいます。
近年ではSNSで悪意のある口コミなどを投稿することも問題になっているため、ランキングや評判・口コミはあくまでも一個人の意見だと考えておきましょう。
実際にメールや電話、訪問などで相談してみて、あなた自身がどう感じるかという点が大切です。
相続に強い弁護士の選び方
弁護士に相続問題を相談するのであれば、相続に強い弁護士に相談すべきです。
そして、ランキングや評判・口コミに頼らずに、自分の目や耳で相続に強い弁護士を選ぶことが大切です。
ここから、相続に強い弁護士を選ぶために注目すべきポイントをご紹介します。
相続問題に関する著書がある
相続を専門に扱い、相続問題を得意とする弁護士であれば、専門書などを書いていることがあります。
専門書があれば、相続問題に強い弁護士であるといえるでしょう。
なぜならば、相続問題の知識や実績のある弁護士だからこそ出版社が依頼して本を出版していると考えられるからです。
ホームぺージの弁護士の経歴欄などに著書が書かれていることがあるので、確認してみてください。
弁護士としての経験年数
弁護士だけに限ったことではありませんが、実務をこなしてこそ経験は積まれていきます。
弁護士の場合、「どのように交渉すべきか」「どのように解決していくべきか」など、弁護士の経験年数が長いほど、過去の経験を活かすことができます。
交渉力や相続問題における知識、対応力などは、経験年数を積んでいる方が優れている可能性は高いでしょう。
弁護士としての経験年数が多いほど過去の相談実績も多いことが予想されます。
こうしたことから、経験の浅い新人弁護士よりも、代表弁護士の経験年数の豊富な弁護士を選んだ方が安心はできるといえます。
相続問題の解決実績が豊富
弁護士としての経験年数が多いほど実務の経験は多いかもしれませんが、大切なことは相続問題の解決実績の豊富さです。
相続問題は長年の人間関係や、相続人同士の心理的対立などが発生し、解決までに何年も続くようなケースもあります。
相続問題に強い弁護士であれば、多くの相談を受けて受任し、問題を解決へ導くことで実績を積み上げています。
実績が確認できるようであれば、確認してみましょう。
相続に強い弁護士を選ぶときの注意点
相続に強い弁護士を選ぶときのポイントを紹介しましたが、選ぶときに注意すべき点があります。
依頼してから後悔しないように、次の点に注意しましょう。
説明の分かりやすさ
実績が豊富で相続に強い弁護士であったとしても、説明が分かりにくいという弁護士もいます。
法律や相続の問題は非常に難しく、専門用語も多いです。
依頼主は一般の人なので分かるように説明してもらわなければ、状況を理解できません。
説明が分かりにくいまま相続手続きを任せてしまえば、希望とは異なる方向へ進んでしまう可能性もあるでしょう。
依頼主に分かりやすく説明し、疑問点には丁寧に答えてくれるような弁護士を選ぶべきです。
対応や連絡のスピード
弁護士は一度に複数の案件を抱えており、対応や連絡の遅い弁護士もいます。
あまりにも対応や連絡が遅い弁護士は避けるべきでしょう。
トラブルの交渉に手間取って連絡が遅くなっているようなケースもあるかもしれませんが、依頼した業務が停滞している可能性も考えられます。
相続問題は期限などもあるため、スピードも重要視される法律トラブルです。
きちんと現在の状況を説明し、連絡のスピードに不安を抱かせないように対応してくれるような弁護士ならば信頼して任せられるでしょう。
費用の適正性と明確性
弁護士費用は決して安いものではないため、できるだけ費用の安い弁護士を探そうとする方もいるでしょう。
しかし、弁護士費用が安ければいいというわけではありません。
弁護士費用は大きくわけると、「着手金」と「報酬金」があります。
着手金は問題に着手する際に支払い、報酬金は問題解決後に依頼主が得た利益から算出して支払います。
これらの費用は一律ではなく、法律事務所ごとに設定が異なります。
「着手金は無料」という謳い文句を掲げる法律事務所もありますが、着手金の分を報酬金に上乗せしているケースもあるため注意が必要です。
着手金と報酬金の合計を比較し、相場金額に近い金額の弁護士事務所を選ぶべきだといえます。
依頼主にとって不利な情報の共有
依頼主にとって良いことばかり言う弁護士は、信頼できるかという点で疑問が生じます。
「必ず勝てる」「絶対に有利になる」などという甘い言葉は危険です。
法律の専門家である弁護士がサポートについても、絶対に依頼主に有利な結末になるとは限りません。
依頼主にとって不利な情報や、起こり得るリスクなどについても情報共有してくれるような弁護士の方が信頼をおけるといえます。
自分との相性
弁護士と依頼主という関係とはいえ、人間同士の関りになるので相性も大切です。
相続に強い弁護士で優秀な人であったとしても、自分との相性が良くなければコミュニケーション不足が生じる恐れがあります。
弁護士とは連携して相続問題を解決していかなければならないため、コミュニケーションが不足していれば、問題解決へ影響が出てしまうかもしれません。
相性が悪ければ、依頼してからも不満がでてきてストレスになってしまう可能性もあるため、自分と相性が良いと感じる弁護士に依頼すべきです。
まとめ
相続に強い弁護士を選ぶ際には、ランキングや評判・口コミは信用せずに、自分の目で見て話してみて決めることが大切です。
相続問題の解決実績が多く、経験豊富な弁護士を選びましょう。
相続に強い弁護士のサポートを受ければ、公平で適正に相続の手続を進められます。
まずは無料相談を利用し、実際に弁護士と話してみることから始めてみてください。
・遺産分割を弁護士に相談する理由とメリット&デメリット