交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

複数の後遺障害等級について

2014年04月01日

母が交通事故に遭い、腰椎の圧迫骨折、右手首の複雑骨折、右大腿骨の骨折、右肩の脱臼という重傷を負いました。

まだ後遺障害等級の認定はされていませんが、医師の話では、骨の変形と運動障害が残るだろうといわれています。

そこで、損害賠償請求についてお聞きしたいのですが、母のケースのように何ヵ所もの骨折を負った場合、どのように後遺障害等級を決めるのか? 

また、背骨や腰椎以外の骨折や脱臼もきちんと認定してもらえるのか? ということです。

よろしくお願いします。

弁護士からの回答

自賠責後遺障害等級は、自動車損害賠償保障法施行令の別表第1及び第2として定められている後遺障害別等級表にしたがって認定がなされます。

そして、後遺障害別等級表には、後遺障害が発生した部位やその程度により第1級から第14級までの等級が定められており、認定にあたってはそれぞれの後遺障害別に等級が認定され、複数の後遺障害が認定された場合には、等級の併合という処理が行われます。

併合の方法としては、①13級以上の後遺障害が二つ以上あるときは重い方の等級を1級繰り上げる、②8級以上の後遺障害が二つ以上あるときは重い方の等級を2級繰り下げる、③5級以上の後遺障害が二つ以上あるときは重い方の等級を3級繰り上げることとされています。

そこで、今回の交通事故における後遺障害等級を検討してみましょう。

まず、腰椎圧迫骨折に伴う後遺障害としては、変形・腰椎部の可動域制限が考えられ、その程度によって、8級2号(脊柱に運動障害を残すもの)、11級7号(脊柱に変形を残すもの)、非該当のいずれかが考えられます。

次に、右手の複雑骨折や右肩の脱臼に伴う後遺障害としては、関節の可動域制限や神経症状(痛み、しびれなど)が考えられ、その程度によって、それぞれ8級6号(1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの)、10級10号(1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの)、12級6号(1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの)、12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)、非該当のいずれかが考えられ、系列を同じくする障害と認定された場合には、この二つの後遺障害が併合されて一つの後遺障害として等級が認定されます。

右大腿骨の骨折については、後遺障害として、神経症状(痛み、しびれなど)が考えられ、12級13号(局部に頑固な神経症状)が考えられます。

以上のとおり、腰椎圧迫骨折、右手の複雑骨折、右肩の脱臼、右大腿骨の骨折について、それぞれが自賠責における後遺障害等級に認定するかが検討され、今回の交通事故については、併合の方法により、一番高い場合には併合4級(右上肢の後遺障害について6級となったうえで、腰椎圧迫骨折に伴う後遺障害が8級と認定された場合)とされる可能性があります。

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