交通事故で高額慰謝料を獲得できる人とできない人の違い | みらい総合法律事務所(東京都千代田区の法律事務所)

交通事故で高額慰謝料を獲得できる人とできない人の違い

交通事故で高額慰謝料を獲得できる人とできない人の違い

  
最終更新日 2020年 06月18日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
 代表社員 弁護士 谷原誠

交通事故の被害にあってしまうと、被害者の方はさまざまな損害を被ってしまいます。

そこで質問です。

加害者に対して、いくらくらいの慰謝料を請求することができるでしょうか?

交通事故の被害にあったうえに示談交渉で少ない慰謝料しかもらえないのでは、二重の被害にあうことになってしまいますから、被害者の方にはできる限り高額の慰謝料を獲得していただきたいと思います。

しかし法律問題なので、いろいろと難しいことがあります。

そこで、ここでは交通事故の被害にあった場合の慰謝料の計算方法や相場金額、適正で高額な慰謝料の獲得方法などについて、弁護士が専門的見地から包括的かつ網羅的に説明していきたいと思います。

私たちが実際に解決したオリジナルの事例についても紹介します。

まずは、次の質問の答えを考えてみてください。

  • 交通事故の慰謝料には相場があるのですが、その計算方法とは?
  • 加害者側の保険会社が適正な慰謝料を提示してくれない本当の理由は?
  • 交通事故の慰謝料の計算には3つの基準があることを知っていますか?
  • なぜか、弁護士が代理人になると慰謝料が増額する隠された秘密とは?
  • 交通事故の被害者自身が示談交渉しても保険会社は譲歩しなくてよい理由とは?
  • 慰謝料の相場金額が提示されても示談に応じてはいけないのはどんな場合か?

ひとつでも知らないことがあるなら、このまま読み進めてください。

その前に!

交通事故の解決までの全プロセスを説明した以下の無料小冊子をダウンロードしておきましょう!

目次
  1. 保険会社が提示する慰謝料で示談してはいけない
  2. みらい総合法律事務所の増額解決事例を紹介します
  3. 交通事故の慰謝料とは?
  4. 慰謝料についての3つの基準(慰謝料増額事例)
  5. 保険会社が適正な慰謝料を提示してくれない理由
  6. 弁護士に依頼すると増額することが多い理由
  7. 交通事故慰謝料の弁護士(裁判)基準
  8. 慰謝料が相場より増額される場合とは?
  9. 被害者側の精神的苦痛がより大きいと思われる場合
  10. 被害者側に特別な事情がある場合
  11. その他の損害賠償の項目を補完するような場合
  12. 慰謝料増額は被害者が主張しなければ認められない
  13. 交通事故を相談・依頼する弁護士の探し方

保険会社が提示する慰謝料で示談してはいけない

交通事故の被害にあうと、加害者に対して慰謝料を請求することができますが、一体いくらくらい請求できるかご存じでしょうか?

・まずは治療をしなければいけませんから、治療費がかかります。

・入院する際には、入院費もかかります。

・病院に通院すれば交通費がかかりますし、仕事を休めば給料をもらえません。

・精神的苦痛を感じるので、慰謝料を請求することになります。

・後遺症が残った際には将来の仕事に影響が出て、収入が減ってしまいます。

これらはすべて交通事故による損害ですから、加害者に請求することになります。

ところで、交通事故については過去に膨大な数の裁判が起こされていて、判決が出されています。

その中で、交通事故の被害に関して一定の計算方法が確立されてきました。

そのため、慰謝料についても相場というものがあります。

しかし、保険会社はこの相場金額を提示してくることは少ないと言っていいでしょう。

ところで、交通事故の示談交渉は治療が終了してから始まりますが、通常は保険会社から慰謝料などの提示があり、被害者の方がそれに応じるかどうか、ということで示談交渉が進んでいきます。

ここで注意していただきたいのは、保険会社が提示してくる示談金は適正な金額でないことが多い、ということです。

しかし、保険や後遺障害等級の知識のない被害者の方が適正な金額を計算するのは難しいと思います。

また、相手は保険のプロですから、保険会社と交渉していくのは被害者の方にとっては非常に困難なものになります。

これは、精神的には大きな苦痛です。

そして、自分で示談交渉するよりも弁護士に依頼した方が増額しやすい理由があるのですが、それは後ほど説明したいと思います。

その前に、保険会社の提示額がいかに低いか、また弁護士が入ることでいかに増額するかを知っていただくために、私たちが実際に解決したオリジナル事例をご紹介します。

みらい総合法律事務所の増額解決事例を紹介します

【解決事例1:49歳男性の慰謝料などの損害賠償金が22倍に増額!】

49歳の男性が交通事故で骨折などの傷害を負い、肩関節機能障害の後遺症が残ってしまった事例です。

自賠責後遺障害等級を申請すると12級6号が認定され、加害者側の保険会社は、「被害者の過失が大きい」として、58万3236円の示談金を提示しました。

そこで被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用したところ、慰謝料などを精査した弁護士から「示談金額が低すぎる。まだまだ増額は可能」とのアドバイスをもらったことから、示談交渉のすべてを弁護士に依頼されました。

弁護士が保険会社と交渉したところ、最終的には1200万円で解決しました。

弁護士が被害者の方に代わって交渉することで、慰藉料などが約22倍に増額したことになります。

「解決事例2:後遺障害等級併合8級の40歳男性の慰謝料などが約6320万円増額」

40歳の男性が乗った自動車が後ろから追突され、頚環軸椎骨折等の傷害を負った交通事故。

治療のかいなく症状固定となり、頚部可動域制限などの後遺症が残ってしまい、自賠責後遺障害等級8級と14級の併合8級が認定されました。

加害者側の保険会社は既払い金を除いて、慰謝料などの損害賠償金として約2650万円を提示。

この金額に疑問を感じた被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、そのまま弁護士に示談解決を依頼しました。

弁護士と保険会社との交渉は決裂し、訴訟へ移行。

保険会社は、後遺障害等級自体が間違いであるとして争ってきましたが、裁判所は弁護士の主張を認め8級を前提とし、賠償金として約8970万円を支払う判決を下しました。

保険会社の当初提示額から約3.38倍、約6320万円も増額して解決した事例です。


【参考記事】その他の解決事例を確認したい方はこちらから

このように、保険会社は必ずしも慰謝料などの示談金として適正額を提示してくれるわけではありません。

みらい総合法律事務所では、後遺症と死亡事故に特化して、交通事故の実務に精通した弁護士たちが随時、相談を受け付けています。

一度ご相談ください。

交通事故の慰謝料とは?

「慰謝料は損害賠償項目のひとつ」

先ほど説明したように、交通事故の被害者の方が加害者に請求する損害賠償金には次のようなさまざまな項目があります。

・治療費、

・休業損害、

・通院交通費、

・逸失利益、

・将来介護費

・慰謝料 など

慰謝料と損害賠償金は同じものだと思っている方もいらっしゃいますが、慰謝料は損害賠償金の項目のうちのひとつであることを覚えておいてください。

「被害者が受け取ることができる慰謝料は3種類」

被害者の方は、交通事故でケガをして入通院をしなければならなくなったことで精神的苦痛を被ります。

後遺症が残ったことで精神的苦痛を被り、死亡したことでも精神的苦痛を被ります。

慰謝料とはつまり、精神的な苦痛を被ったことに対する損害賠償金のことです。

それらの精神的苦痛を金銭で評価したものが慰謝料ということになります。

交通事故に関する慰謝料には、「死亡慰謝料」、「後遺症慰謝料」、「傷害慰謝料」があります。

<死亡慰謝料>

死亡慰謝料は、交通事故で被害者の方が死亡したときに受けた精神的苦痛に対して支払われるものです。

死亡事故の場合には、被害者の方が死亡する瞬間に死亡に対する慰謝料が発生し、それが相続人に相続される、と考えられています。

したがって、死亡慰謝料を受け取るのは相続人になります。

また、死亡した被害者の方の近親者は、大切な家族を失ったことで精神的苦痛を被っていますので、近親者独自の慰謝料を請求できる場合もあります。

<後遺症慰謝料>

交通事故でケガをして後遺症が残ってしまった場合には、将来的に後遺症と付き合っていかなければなりません。

そこで請求できるのが、後遺症慰謝料です。

慰謝料の金額については、裁判所が定めることになるのですが、精神的苦痛は目に見えず、金額で計算しにくいので、過去の膨大な裁判例の中から一定の計算方法ができています。

これが、慰謝料の相場、というものです。

【参考情報】 交通事故の慰謝料の相場と慰謝料を増額させる秘訣

なお、みらい総合法律事務所では、自分で慰謝料等の金額を計算できる「自動計算機」をご用意しています。

指示に従って入力していくだけで、およその金額がわかりますので、ぜひ利用してみてください。

後遺症が残った場合は、こちらです。

交通事故慰謝料自動計算機(後遺障害編)

死亡事故の場合の計算機は、こちらです。

交通死亡事故慰謝料自動計算機(示談金の解説付)

慰謝料についての3つの基準(慰謝料増額事例)

ここでもまずは、みらい総合法律事務所の弁護士が実際に解決した慰謝料などのオリジナルの増額事例を見ておきましょう。

【解決事例3:17歳男性の慰謝料などの損害賠償金が約2300万円の増額!】

17歳の男性が交通事故により脳挫傷等の傷害を負い、高次脳機能障害と外貌醜状の後遺症が残ってしまいました。

自賠責後遺障害等級を申請すると、高次脳機能障害で9級10号、外貌醜状で12級14号、併合で8級が認定され、加害者側の保険会社は被害者男性に対し、示談金として、1133万9906円を提示しました。

この金額を疑問に思った被害者の方とご家族が、みらい総合法律事務所に示談解決を依頼。

弁護士が保険会社と示談交渉した結果、3437万7671円で解決した事例です。

示談交渉に弁護士が入ったことで約3倍、金額にして約2300万円も増額しています。

なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。

保険会社は、なぜ最初から適正な金額を提示しなかったのでしょうか。

それは、交通事故の慰謝料には3つの基準があるからです。

「自賠責保険基準」

自賠責保険基準というのは、自賠法で定められている基準であり、交通事故の被害者に対する最低限の保障をするためのものです。

この基準は、交通事故の被害者の方が本来得られる金額ではなく、あくまでも最低保障なので適正な慰謝料基準でないことは明らかです。

ところが、ときとして、保険会社はこの自賠責保険基準によって慰謝料を計算して提示してくることがあるので注意が必要です。

「任意保険基準」

任意保険基準というのは、保険会社が独自に定めている支払基準のことです。

任意保険基準は、自賠責保険基準よりは高いのですが、裁判で正当に認められる弁護士(裁判)基準よりは低いのが通常です。

実際、みらい総合法律事務所で交通事故の被害者の方から相談を受けていて、保険会社の提示額が適正金額であることは少ないのが現状です。

そのため、弁護士が必要になるわけです。

「弁護士(裁判)基準」

弁護士(裁判)基準は、被害者側が裁判を起こしたときに判決により認められる支払基準のことで、これが適正金額です。

交通事故の被害者の方としては、示談交渉により、弁護士(裁判)基準に近づけるように努力していくことになります。

保険会社が適正な慰謝料を提示してくれない理由

なぜ、保険会社は適正な金額である弁護士(裁判)基準ではなく、自賠責保険基準や任意保険基準で示談金を提示してくるのでしょうか。

保険会社が、すべての被害者の方に弁護士(裁判)基準で慰謝料を提示したら、どうなるでしょうか。

保険会社は高額の示談金を支払い続け、支出が多くなっていきます。

保険会社が高額の示談金を支払ったとしても、収入が増えるわけではありません。

保険会社の利益は所得から損金を差し引いて計算するわけですから、支払う慰謝料が高ければ高いほど、保険会社の利益は減少してしまいます。

そこで保険会社としては、なるべく被害者の方に対する慰謝料の支払いを抑えようとするのです。

したがって、保険会社と交通事故の被害者の方との利害は対立関係にある、ということができるでしょう。

保険会社がより儲かるためには、被害者の方に、より低い金額を提示することになります。

反対に、被害者の方により高額の慰謝料を支払うと、保険会社の儲けは、より少なくなります。

このようなことから、保険会社はなかなか適正な慰謝料を提示してくれず、裁判を起こさないといけないような事案が多いわけです。

弁護士に依頼すると増額することが多い理由

交通事故の被害者の方が保険会社と慰謝料の示談交渉をしても、なかなか増額できず、弁護士に依頼することになるケースも多いと思います。

そして、先ほど実際の解決事例で見たように、弁護士が示談交渉すると増額することが多いのです。

じつは、これにも理由があります。

弁護士が代理人として出てきた場合、保険会社が適正金額を提示しないと、どうなるでしょうか。

裁判になるのです。

そして、裁判になると保険会社の支出は多くなります。

次のような事情があるからです。

・裁判になると、3つの基準のうち、もっとも高額の弁護士(裁判)基準で慰謝料を支払わなければならなくなる。(もはや任意保険基準での示談はできません)

・裁判になると、保険会社側でも弁護士に依頼しなければならなくなり、弁護士費用の負担が増える。

・裁判になり判決までいくと、本来支払う賠償金の他に、事故時から「遅延損害金」という利息相当額と「弁護士費用相当額」という金額を付加して払うことになり、さらに支出が増える。

つまり、保険会社としては、支出が増えないようにするには、弁護士が出てきた段階で示談により解決したほうがメリットがある、ということになるわけです。

そのため、被害者の方が弁護士に依頼すると、慰謝料が増えることが多いのです。

弁護士に依頼すると慰謝料が増える理由がわかったところで、弁護士に相談してみよう、という方は、みらい総合法律事務所にご相談ください。

当事務所は、後遺症と死亡事故に特化して、つねに専門性を高めています。

交通事故慰謝料の弁護士(裁判)基準

ここでは、適正な計算基準とされる、弁護士(裁判)基準について説明します。

慰謝料の相場は、日弁連交通事故相談センター東京支部が毎年発行している「損害賠償額算定基準」(赤い本)という本に記載されています。

ただし、慰謝料の相場は、あくまで目安であって、相場より増額される場合も減額される場合もあります。

「傷害慰謝料」

傷害慰謝料は、入通院慰謝料ともいい、交通事故でケガをして入院や通院を余儀なくされたことで被った精神的、肉体的苦痛に対して支払われる慰謝料です。

傷害慰謝料は、入院期間や通院期間を基準として、慰謝料を計算するのが実務です。

下の表で、入院期間と通院期間が交差する部分の金額を目安としています。

この表は、他覚所見がある場合の原則型です。

他覚所見がない場合は別の表を使いますし、重い場合は増額し、通院頻度が少ない場合は減額します。

「後遺症慰謝料」

後遺症慰謝料は、交通事故によるケガが完治せず、後遺障害を負ったことによる精神的、肉体的苦痛に対して支払われる慰謝料です。

後遺症が残った場合には、自賠責後遺障害等級認定を受けますが、その後遺障害等級によって後遺症慰謝料の相場が認められています。

後遺症慰謝料の相場は、認定された後遺障害等級に応じて以下のようになっています。

  • 後遺障害等級1級
    2800万円
  • 後遺障害等級2級
    2370万円
  • 後遺障害等級3級
    1990万円
  • 後遺障害等級4級
    1670万円
  • 後遺障害等級5級
    1400万円
  • 後遺障害等級6級
    1180万円
  • 後遺障害等級7級
    1000万円
  • 後遺障害等級8級
    830万円
  • 後遺障害等級9級
    690万円
  • 後遺障害等級10級
    550万円
  • 後遺障害等級11級
    420万円
  • 後遺障害等級12級
    290万円
  • 後遺障害等級13級
    180万円
  • 後遺障害等級14級
    110万円

この表を見ると、後遺障害等級が1級違うだけで、慰謝料額にかなりの差が出てくることがわかります。

また、後遺障害が残ったときの逸失利益も後遺障害等級を基礎として労働能力喪失率を計算しますので、やはり後遺障害等級が1級違うだけで金額にかなりの差が出てきます。

ところで、後遺障害等級は間違って認定される場合があります。

そうすると、間違った低い後遺障害等級によって慰謝料や逸失利益が計算されてしまい、本来もらえるはずの損害賠償金をもらえない、ということになってしまいます。

そのような場合には、「異議申立」という手続を行なって、正しい後遺障害等級を認定し直してもらう必要があります。

認定された後遺障害等級が正しいかどうかは、後遺障害等級認定システムを熟知し、医学的知識を持っていないと正確に判断することはできません。

後遺障害等級認定がされた際には、交通事故に強い弁護士に一度相談することをおすすめします。

【関連記事】 交通事故で正しい後遺障害等級が認定される人、されない人の違いとは

「死亡慰謝料」

死亡慰謝料は、被害者の方が死亡した場合に支払われる慰謝料です。

死亡事故の場合、被害者の方は死亡していますが、死亡の直前に精神的苦痛を被って慰謝料請求権が発生し、その慰謝料請求権が相続により相続人に承継される、と考えられています。

死亡慰謝料は、被害者の方の家庭内での地位によって相場が認められていて、以下のようになっています。

  • 被害者が一家の支柱
    2800万円
  • 被害者が母親・配偶者
    2500万円
  • 被害者がその他
    2000万~2500万円

被害者が「一家の支柱」とは、その家庭が主に被害者の方の収入によって生活している場合をいいます。

「母親、配偶者」とは、その被害者の方が母親として子供を育てていたり、家事に従事をしていたりという場合です。

「その他」とは、被害者の方が独身の男女、子供、幼児などである場合をいいます。

また、死亡事故の場合は被害者の方の近親者も、被害者の方を亡くしたことにより大きな精神的苦痛を被ることが考えられます。

そこで、近親者にも相続ではなく、自分固有の慰謝料が認められる場合があります。

慰謝料が相場より増額される場合とは

ここまで、過去の裁判例により作られてきた慰謝料の相場について説明してきましたが、じつは被害者の方が知っておくべき重要な慰謝料の知識があります。

それは、過去の裁判例では、慰謝料の相場よりも高額の慰謝料の支払を命じた事例もあるということです。

必ず相場の金額が認定されるわけではないのです。

もし、ご自身の場合が、相場より高額の慰謝料が認められる条件に当てはまるのであれば、その条件を主張して高額の慰謝料を得るべきでしょう。

そこで、ここでは、慰謝料が相場より増額される場合についてご説明します。

過去の裁判例を分析すると、慰謝料が相場より増額される場合は3種類に分けられます。

(1)被害者の精神的苦痛がより大きいと思えるような場合

(2)被害者側に特別な事情がある場合

(3)その他の損害賠償の項目を補完するような場合

被害者側の精神的苦痛がより大きいと思われる場合

交通事故の被害者の方には、それぞれ色々な事情があります。

次の日が大切な大学受験かもしれないし、遊園地に行く日かもしれません。

様々な事情があることを前提とし、慰謝料の相場が作られてきました。

ただし、そうであるとしても、被害者の方の精神的苦痛が通常の事故に比べて大きいと思われる場合があります。

たとえば、交通事故で多いのは、前方不注意や脇見運転などの単純な過失です。

しかし中には、加害者の無免許、赤信号無視、飲酒運転、著しいスピード違反、などの悪質な行為を原因としたものである場合があります。

また、ひき逃げをしたり、事故後に遺族に暴言を吐いたり、嘘を繰り返すなど反省の態度がまったく見えないなどの事情がある場合があります。

このような場合には、単純な過失による交通事故の場合よりも被害者自身の精神的苦痛が大きいとして、慰謝料が相場より増額される場合があります。

また、後遺障害の程度が重度で、被害者本人や被害者を常時介護する親族の精神的負担が大きいと思われるような場合に、後遺症慰謝料が増額される場合があります。

被害者側に特別な事情がある場合

被害者の方には様々な事情がありますが、特別な事情があって通常の交通事故よりも精神的苦痛が大きいと認められる場合は、慰謝料が相場より増額することがあります。

たとえば、被害者の方が女性で、妊娠している状態で交通事故の被害にあい人工妊娠中絶をした場合、まだ生まれていないので子供本人の慰謝料は発生しません。

しかし、人工妊娠中絶をせざるを得なくなった母親の精神的苦痛はケガ以上のものがあると認められます。

そこで、このような特別な事情がある場合には、慰謝料が相場より増額されることがあります。

その他の損害賠償の項目を補完するような場合

それ以外の場合としては、精神的苦痛については特別な事情がない場合でも、他の項目で賠償額を増額させることが適当とする場合でも、金額の計算が難しいような場合や損害賠償額全体のバランスを取る場合に、慰謝料を増額させることがあります。

たとえば、女優を職業とする女性が交通事故で顔に傷を負って醜状障害の後遺障害が認定された場合はどうでしょうか。

それ以降、仕事ができないわけではありませんが、収入の減少は想定されますし、金額計算が難しいです。

そのような場合には、逸失利益ではなく、慰謝料を増額することで代替することがあります。

また、将来の手術費用の計算が難しい場合なども手術費用としてではなく、慰謝料を増額し、バランスをとることがあります。

慰謝料増額は被害者が主張しなければ認められない

交通事故の慰謝料には相場がありますが、事情によっては、慰謝料が相場より増額することが理解いただけたと思います。

ただし、交通事故の慰謝料増額は、被害者が主張立証しなければ認められません。

保険会社との示談交渉で、保険会社が慰謝料増額を認めてくれることはまずないといっていいでしょう。

保険会社は利益を出さなければならず、被害者の方への支払をなるべく抑えようとします。

したがって、保険会社がわざわざ相場より高額の慰謝料を提示してくることなど期待できないのです。

慰謝料増額は、裁判をしなければ獲得できない、と思っていたほうがよいでしょう。

そして、裁判をしたとしても、交通事故の被害者の方が、自分で慰謝料増額事由を主張し、立証しなければ、裁判所は相場どおりの慰謝料額しか認めてはくれません。

これは、処分権主義と弁論主義という概念に由来します。

裁判所は、裁判の当事者が1000万円と請求しているときに、1500万円の支払を命じることはできません。

また、裁判所は被害者の方が慰謝料増額の証拠を提出しないのに、職権が勝って、調べて、慰謝料増額を認めることはできません。

したがって、交通事故の被害にあって、慰謝料増額事由がある場合には、それを被害者の方が発見し、裁判において主張しなければ、裁判所に認めてもらえない、ということになります。

このようなことからも、交通事故の裁判は、実務経験豊富な交通事故に強い弁護士に依頼するのがよい、といえるのです。

交通事故を相談・依頼する弁護士の探し方

交通事故の裁判は簡単ではありません。

法律や判例の知識は当然に必要ですが、それだけではありません。

通常、弁護士が学んでいない後遺障害等級認定基準や認定方法の知識、医学的知識、保険の知識なども必要になります。

また、慰謝料増額事由についても知っていなければなりません。

したがって、交通事故の被害者の方には可能な限り交通事故の実務に優れた、交通事故に強い弁護士に相談することをおすすめします。

知り合いが、たまたま交通事故に強い弁護士であるならば幸運ですが、そうでなければインターネット検索で探すのがよいでしょう。

ホームページは誰でも作れるので、交通事故のホームページを持っていたからといって、交通事故に精通しているかどうかは別問題です。

もっとも簡単に交通事故に強い弁護士を探すには、「交通事故の専門書」を出しているかどうかがポイントになります。

一般の人向けに書かれた本は誰でも書けますが、法律実務家向けの本は、その分野に精通していないと書けません。

なぜなら、法律実務書専門の出版社が書かせてくれないからです。

なぜ、書かせてくれないかというと、弁護士業界で「あの弁護士はこの分野に詳しいから、読んで参考にしよう」と思われていないと売れないからです。

したがって、法律実務書専門の出版社から「交通事故の専門書」を出していれば、交通事故に精通していると、一応は推定できると思います。

ちなみに、みらい総合法律事務所では、

「交通事故訴訟における典型後遺障害と損害賠償実務」(ぎょうせい)

「交通事故訴訟における高次脳機能障害と損害賠償実務」(ぎょうせい)

「交通事故訴訟における脊髄損傷と損害賠償実務」(ぎょうせい)

などの交通事故に関する専門書を出版しています。

また、これは限定された探し方ですが「ニュース番組から交通事故の専門家として取材されているか」という方法もあります。

バラエティは別として、ニュース番組で専門家にコメントを求めるときは、やはりその道の専門家を探します。

見解が間違えていたら大変だからです。

したがって、ニュース番組で交通事故の専門家として紹介されているかどうかも一つの探し方だと思います。

あとは実際に相談してみて、詳しい解説をしてくれるかどうかも参考にしましょう。

そして、自分と合った弁護士に依頼することをおすすめします。

みらい総合法律事務所は、後遺症と死亡事故に取扱分野を絞って専門性を高めています。

ぜひ一度、ご連絡をいただければと思います。

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