M&A

M&A

買収、組織再編、法務デューデリジェンス

企業買収や組織再編では、契約書、人事労務、簿外債務、偶発債務など、ありとあらゆる法的問題を検討しなければなりません。

また、法律面のみならず、会計、税務の観点からも多角的に検討を行い、スキーム選択や買収契約書によるリスクヘッジを実施する必要があります。

当事務所は、監査法人との協力関係のもと、M&A に際して発生する様々な問題に対し、法的観点のみならず、会計税務の観点からも総合的に対応いたします。

スキーム検討

M&A の手法には、事業譲渡や会社分割など様々な手法が存在します。
また、これらの手続を組み合わせることにより、無数のバリュエーションを生み出すことも可能となります。

もっとも、各種M&A 手法を組み合わせる際には、各手法が有するメリット・デメリットを適切に把握し、これを最大限利用することになります。

当事務所では、具体的な案件ごとに法務・税務等総合的にメリット・デメリットの検討を行った上、最適なスキームのご提案を行っています。

秘密保持契約書(NDA)

M&A を実施する際には、事前に秘密保持契約書(Non-Disclosure Agreement、通称NDA)を締結することが一般的です。

M&A では、対象会社の全貌を調査する必要があり、提供される情報も決算書から始まり、各社との契約書、従業員の給料額など極めてプライベートな情報を扱うことになるためです。

また、上場会社がM&A を行う場合や、買収対象が上場会社の場合には、インサイダー取引が生じないよう、極めて厳格に秘密を保持する必要があります。
M&A のNDA についても、通常の商取引と同様のNDA を締結する事案も散見されます。

しかし、通常の商取引とM&A のDD において提供する情報は、質と量が格段に異なっています。そのため、安易に普段用いているNDA を利用することは避けた方が良いでしょう。

当事務所では、具体的な事案に応じてM&A 専用のNDA をカスタマイズして利用しています。先方に企業秘密などを交付する前に、後にトラブルとならないよう、問題のないNDAを利用しましょう。

基本合意書(LOI)

M&A のDD を実施する前に基本合意書(Letter Of Intent、通称LOI)を締結することがあります。

LOI には、売主と買主とが協議して概ね合意に至った内容が記載されることになります。
LOI には通常、M&A スキームの概要、一定事項の保証、交渉期間などが記載されます。
LOI の大半は、これまで協議した内容を整理したものであり、その法的拘束力を認めないことが一般的です。

もっとも、一定期間は独占的交渉権を与えるなど、一定の事項につき法的拘束力が必要となる場合には、一定の事項につき法的拘束力を認めたLOI を作成する必要があります。
当事者間で話し合ったことを纏める目的だけなのか、それとも一定の法的義務を与える目的であるのかという点に着目し、LOI を締結するか否かを検討すべきでしょう。

当事務所では、想定される具体的な事案に応じて、LOI をカスタマイズして作成しています。
法的拘束力がないとしても、当初定めた合意は、当事者間に一定の心理的拘束力を及ぼすことがあります。
そのため、LOI 作成の段階から、できる限り法律の専門家を介入させた方が安全です。

資料開示請求

デューデリジェンス(DD)における資料開示は、一般的に各DDプレイヤーが要求資料リストを作成し、このリストに基づいて実施されることになります。
この要求資料リストは、DDの初期段階で作成されることが一般的であり、対象会社にどのような資料が存在するのか分からない状況で作成されます。

法務DDメンバーは、要求資料の漏れが生じないように、一般的なDDで要求する資料は、網羅的に要求資料リストに計上しています。
また、対象会社の業態に応じて、要求資料リストをカスタマイズすることによって、重要な資料の要求が漏れないように細心の注意を払っています。

もっとも、法務DD メンバーは、法務DD の専門家ではあるものの、対象会社の業界の専門家ではありません。
そのため、業界常識からすれば当然要求すべき資料や、当然対象会社に存在しているはずの資料の要求が漏れてしまうリスクがあることは否定できません。

そのため、当事務所では、DD依頼者と相談なしに独断で要求資料リストを作成するのではなく、できる限りDD 依頼者も法務DD プレイヤーの要求資料リスト作成にかかわってもらっています。

現地調査

DDでは対象会社に直接赴き、事前に開示できない資料の閲覧やインタビューを行うという現地調査の機会が設けられることが一般的です。
現地調査では、PDF ファイルやエクセルファイルなどで事前に開示される資料とは異なり、外部に持ち出すことが原則的に禁止される重要な書類が調査対象となります。

また、社長を含めた対象会社の担当者に、原則として直接インタビューを行うことができる唯一の機会となります。
そのため、DDにおいて現地調査は非常に重要な位置づけを占めることになります。

一般的に、DD依頼者(担当者)は、この現地調査の現場に立ち会わないことが往々にして見られます。
しかし、DD メンバーは対象会社の業界事情に関する専門家ではありません。
そのため、当事務所では、その業界について多くの知識を有するDD 依頼者(担当者)が現地調査の現場に立ち会ってもらい、開示を要求する資料やインタビューの内容について適切な意見をいただいています。

また、DD依頼者(担当者)が現地調査の現場に立ち会うことで、リアルタイムにDD の進捗把握を行うことができ、DDの結果発覚した問題点を知るというメリットも享受することができます。

買収契約書

買収スキームと買収価格が固まった段階で具体的に買収契約書を作成する作業に入ることになります。

M&A 実施後に何かトラブルが生じた場合には、原則としてこの買収契約書の記載内容に従って判断されることになりますので、契約書の内容には細部にわたるまで十分に検討する必要があります。

買収契約書には、表明保証条項といわれる条項が設けられることが一般的です。
表明保証条項は、売主又は買主が他方当事者に対して、一定の事項が真実であり正確であることを表明し、表明したことを保証する条項を意味します。

表明保証条項は、買収契約において非常に重要な規定であり、後にこの条項を巡って紛争になることも多く見られるため、契約書締結時には十分注意しなければなりません。

DD を実施した法律事務所と買収契約書を作成する法律事務所が異なることが散見されますが、当事務所では、原則としてDD を実施した結果を踏まえ、その結果把握したリスクをヘッジする内容をできる限り買収契約書に盛り込んでいます。