この記事では、以下の内容について解説しています。
- 死亡事故では遺族がまとまる必要がある
- 死亡事故と過失割合の問題
- 死亡事故と精神的ストレス
交通事故で被害者が死亡してしまったら、遺族の方のご心痛は察するにあまりあるものです。
しかし、そのような場合でも、加害者に対する損害賠償請求の手続きを進めていかなければなりません。
ところが、遺族が示談交渉をするときには、スムーズに進められないケースが多く、賠償金の金額も下げられてしまうことがあるので注意が必要です。
こうしたリスクを減少させるには弁護士に対応を依頼することも検討した方がよいでしょう。
今回は、死亡事故に遭ったときに弁護士に相談すべきかどうか、考えてみましょう。
死亡事故では遺族がまとまる必要がある
死亡事故では、事故に遭った本人は亡くなってしまうので、誰が示談交渉や損害賠償手続きを進めていくのかが問題です。
交通事故で加害者に対して賠償金請求をする権利は「損害賠償請求権」ですが、この権利は「相続」の対象になります。
そこで死亡事故が発生すると、相続人が加害者に対して損害賠償請求を進めます。
相続人が複数いる場合には、すべての相続人が合意の上で代表者を決め、選ばれた代表者が加害者の保険会社と示談交渉を進めたり、後遺障害認定請求をするのが効率的です。
代表者を決められない場合には、示談交渉も各自バラバラになってしまい、手続きが滞ってしまいます。
このようなときに弁護士に依頼すると、弁護士を窓口として示談交渉を進められますし、遺族がまとまりにくい場合にも弁護士に依頼するのであれば納得する人も多いので、損害賠償請求がスムーズになります。
死亡事故と過失割合の問題
死亡事故では、被害者が事故の状況についての説明や主張をできないので、加害者の言い分にもとづいて双方の過失割合が決められてしまうケースがみられます。
すると、被害者に必要以上に大きな過失割合が割り当てられて不利になってしまいやすいものです。
弁護士に依頼すると、弁護士が実況見分調書を入手して検証したり目撃者に連絡を取ったりして、事故の状況を明らかにします。
その上で、法的に適切な過失割合の基準をあてはめるので、被害者の過失割合が高くなりすぎることを避けられます。
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死亡事故と精神的ストレス
大切な方を死亡事故で失ったら、どのような方でも大きすぎる精神的苦痛を受けるものです。
とうてい自分で示談交渉を進めようという気持ちになれないことも多いでしょう。
相手の保険会社から連絡が来ても放置してしまう方も多いです。
しかし、何もしないと損害賠償請求権が時効消滅して賠償金を請求できなくなってしまうことがあります。
死亡事故の時効については、加害者に対する損害賠償請求の時効は、「損害及び加害者を知った時」(民法724条)から物損については3年、人身損害部分については5年です。あるいは、損害及び加害者がわからなかったとしても、事故日から20年を経過すれば時効により消滅します。
そうなってしまったら、加害者の民事的な責任を免除したのと同じことになり、被害者も無念でしょう。
決してそのようなことのないよう、被害者の損害賠償請求権は、遺族がしっかりと請求する必要があります。
弁護士に依頼すると、弁護士が示談交渉を代行するので遺族が直接加害者の保険会社と話をする必要がなくなります。
相手から不愉快なことを言われることもありませんし、反論を考えるストレスもなくなります。
法律の専門家が対応している、味方になっていると考えるだけでも気持ちが非常に軽くなるものです。
もちろん、高額な賠償金を獲得できるので、被害者の無念を少しでも晴らすことができます。
また、交通事故の損害額の計算基準には、自賠責基準、任意保険基準、裁判基準の3種類があり、裁判基準が適正な賠償金の計算基準です。
ご自身で示談交渉をしていると、保険会社は、任意保険基準で示談金を提示してくることが通常です。
しかし、この金額は適正な額ではありません。
弁護士に依頼した場合には、適正な裁判基準で賠償金を計算してくれますので、その点でも安心です。
当事務所では、死亡事故の遺族の方のサポートのため、積極的な取り組みを進めております。
大切な方を亡くされたご心痛は察するにあまりありますが、被害者の方の無念を晴らすためにも、まずは一度、弁護士事務所の門を叩いてみて下さい。