遺留分侵害額請求権の時効
配偶者や子など一定の相続人が受け取ることができる、法律上保障された最低限の相続財産の取り分が「遺留分」です。
たとえば、亡くなった父親の遺言書に「すべての財産は長男に引き継ぐ」と書かれていた場合、あるいは「姉だけが生前贈与で多額の結婚資金を受け取っていた」といった場合、他の相続人(兄弟姉妹など)にとっては不公平です。
こういったケースでは、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求できる可能性があり、これを「遺留分侵害額請求」といいます。
しかし、ここで次のような疑問が湧いてくるかもしれません。
「遺言書の内容を最近になって初めて
知ったが、自分には遺留分を受け取る
権利はあるのか?」
遺留分をめぐるトラブルで特に注意しなければならないことの1つに「遺留分侵害額請求権の時効」があります。
じつは、時効には大きな2つの期限があり、この期間を過ぎると、原則として遺留分侵害額請求権を行使できなくなるため注意が必要です。
そしてさらに、期限内に遺留分侵害額請求の意思表示をした後に発生する金銭債権に別の消滅時効がある点も見逃してはいけません。
そこで本記事では、遺留分侵害額請求権に関する次のポイントについて弁護士がわかりやすく解説します。
- 遺留分/遺留分侵害額請求権とは?
- 「時効」とは何か
- 遺留分侵害額請求権の期限について
- 時効はいつから始まるのか
- 遺留分侵害額請求権を行使する方法
- 内容証明郵便を利用する理由
- 請求した後にも
注意すべき時効がある!? - 遺留分の時効で注意するべきポイント
遺留分/
遺留分侵害額請求権について
遺留分とは?
前述したように、一定の相続人について法律上保障されている最低限の相続財産の取り分を「遺留分」といいます。
そして、遺留分を侵害された相続人は、遺贈や一定の生前贈与によって財産を取得した人に対して、侵害された遺留分に相当する金銭の支払いを請求できます。
この権利を「遺留分侵害額請求権」といいます(民法第1046条)。
たとえば、父親が、「6,000万円の財産をすべて長男に相続させる」という遺言を残した場合、次男にも遺留分があり、それが侵害されているのであれば、次男は長男に対し遺留分侵害額請求ができます。
ただし原則として、不動産などそのものを取り戻すのではなく、遺留分侵害額に相当する金銭を請求することに注意してください。
遺留分が認められる人/
認められない人
遺留分の権利がある人
遺留分を受け取ることができるのは、次のような法定相続人になります。
- 配偶者
- 子(胎児も含む/生きて生まれた場合)
- 孫(子がすでに亡くなっている場合)
- 父母
- 祖父母
(父母がすでに亡くなっている場合)
遺留分の権利がない人
一方、次のような人は遺留分を受け取ることができません。
- 被相続人の兄弟姉妹
- 相続放棄をした人
- 遺留分放棄をした人
- 相続人の廃除になった人
- 相続欠格者
遺留分の計算の基礎になる
財産は?
被相続人(親など)の死亡時に遺っていた「プラスの財産」だけでなく、負債・借金などの「マイナスの財産」や生前贈与なども遺留分を計算するための基礎となる財産になります。
プラスの財産
- 預貯金
- 現金
- 不動産
- 株式
- 自動車
- 宝石、高級時計などの貴金属類
- 絵画、骨董品など
金銭的価値のある財産 など
マイナスの財産
- 住宅ローン
- カードローン
- 消費者金融からの借入れ
- 未払金
- 連帯保証債務 など
生前贈与・遺贈・特別受益など
相続開始前1年間に行なわれた生前贈与は、遺留分算定の際の財産に加えられます(民法第1044条)。
なお、贈与する側と贈与される側の双方が、他の相続人の遺留分を侵害することを知っていて贈与を行なっていた場合は、1年以上前の生前贈与でも遺留分の対象になります。
2.遺贈
受取人が法定相続人かどうかに関わらず、遺言者は自由に受取人を指定できるため、遺贈も遺留分侵害額請求の対象になります。
3.特別受益
「遺贈」、「婚姻のための贈与」、「養子縁組のための贈与」、「生計の資本としての贈与」などの特別受益にあたる一定の贈与は、相続開始前10年以内に被相続人から受けたものであれば遺留分の対象になります。
なお、「死亡時に財産がほとんど残っていなかった」という場合でも、生前に多額の贈与がされていれば遺留分が問題になることに注意が必要です。
遺留分の割合と計算方法は?
一定の相続人が受け取ることができる遺留分の割合は、民法が規定する相続の優先順位によって次のように決まっています。
- 配偶者や子が相続人の場合:
相続財産の2分の1 - 直系尊属のみが相続人の場合:
相続財産の3分の1
ここでは、相続人が配偶者と子ども2人、相続財産が5,000万円の場合を例に考えてみます。
配偶者の遺留分割合
配偶者の法定相続分は全体の2分の1なので、次のようになります。
配偶者の遺留分は相続財産の2分の1なので、次のようになります。
子どもの遺留分割合
子の法定相続分は全体の2分の1、2人で等分するので1人あたりの金額は次のようになります。
2,500万円 ÷ 2 = 1,250万円
子の遺留分は相続財産の2分の1なので、1人あたりの金額は次のようになります。
遺留分侵害額請求権の時効とは?
消滅時効のリスクに
どう対応するか?
一定期間が過ぎると権利を取得したり失ったりする仕組みを「時効(じこう)」といい、遺留分侵害額請求権にも時効があります。
つまり、遺留分侵害額請求するには期限が決められている(消滅時効制度が定められている)わけですから、消滅時効が完成すると遺留分権利者は、遺贈等を受けた人に対して、遺留分の請求ができなくなってしまう、ということになります。
したがって、遺留分権利者は時効にならないように遺留分の権利を行使しなければなりません。
逆に、遺留分を請求された場合には、すでに消滅時効が完成していないかどうか確認する必要がある、ということです。
なお、時効というのは遺留分侵害額請求を受ける側が消滅時効を主張しない限りは、その効果は生じません。
つまり、時効期間が過ぎて遺留分侵害額請求をした場合、相手側が「消滅時効が成立しているので、その請求は無効だ」と主張しないかぎり、請求は有効だということは覚えておいてください。
1年間の時効について
遺留分を侵害する贈与または遺贈が
あったことを知った時から1年間>
この間に権利の行使(遺留分侵害額請求)をしなければ、時効によって請求権は消滅してしまいます(民法第1048条)。
なお、ここでは、①「被相続人が死亡して相続が始まったことを知った」だけでなく、②「自分の遺留分を侵害する贈与・遺贈があることを知った」ことが重要になります。
10年間の期間制限
(除斥期間)について
「遺言書の存在を知らなかった」、「他の兄弟姉妹への生前贈与があったことを知らなかった」という場合でも、いつまでも遺留分侵害額請求ができるわけではありません。
この間に権利の行使(遺留分侵害額請求)をしなかった場合も、請求権は消滅してしまいます(民法第1048条)。
なお、この10年の期間については「除斥(じょせき)期間」と解されています。
消滅時効との違いは、消滅時効は期間経過後も相手が時効を主張しない限り、権利は形式上残りますが、除斥期間は期間が過ぎると当然に権利が消え、相手の主張の有無に関係なく請求できなくなる点などがあげられます。
遺留分侵害額請求後に発生した
「金銭債権」にも時効がある
期限内に相手方に内容証明郵便を送るなどして、一度でも適切な遺留分侵害額請求の意思表示をすると、「遺留分侵害額請求権そのものを1年間行使しなかった」という時効の問題は基本的に解消されます。
しかし、「一度、内容証明を送れば期限は関係なく遺留分を請求できる」わけではありません。
ここでは、さらに別の時効が問題になります。
現在の遺留分制度では、遺留分侵害額請求権を行使すると相手方に対する金銭債権が発生します。
これは、民法第1046条で「侵害額に相当する金銭の支払いを請求できる」と定めているためです。
つまり、遺留分侵害額請求権を期限内に行使すると、その後は相手方に対する金銭請求権が問題になってくるわけです。
この金銭債権については、一般の債権と同様に民法第166条の消滅時効が適用されます。
現在の民法では原則として、①「権利を行使することができることを知った時から5年間」、または②「権利を行使することができる時から10年間」権利を行使しない場合に、債権が時効によって消滅する仕組みとなっています。
要点を整理すると、時効または除斥期間の問題については次のような2段階の管理が必要になるのです。
遺留分侵害額請求権そのもの
⇒「知った時から1年」または
「相続開始から10年」に注意
<第2段階>
遺留分侵害額請求を行使して
発生した金銭債権
⇒ 一般の金銭債権としての
消滅時効に注意
1年の時効はいつから始まる?
時効の起算点には要注意
遺留分の時効でもっとも問題になりやすいのが、「いつから1年を数えるのか」という点です。
単純に「死亡日から1年」と考えるのは正確ではありません。
民法第1048条は、「相続の開始および遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時」を起算点としています。
こう考える理由として、最高裁昭和57年11月12日判決は次のように判示しています。
「知った」とはどういう
意味か?
「贈与があったことを知った」というだけで直ちに1年のカウントが始まるのかについては、これまで判例上も重要な問題とされてきました。
2019年7月1日以前に開始した相続について適用されていた「遺留分減殺請求権」に関する最高裁判例では、「たんに贈与・遺贈の存在を知っただけではなく、それが遺留分を侵害し、遺留分に関する権利を行使できるものであることを知ったことが必要」とされていました。
したがって、現在の遺留分制度においても「父から兄への贈与があったらしい」という程度の漠然とした認識と、「父の財産の大部分が兄へ贈与され、自分の遺留分が侵害されている」という認識とは区別されます。
ただし、実際に「いつ知ったのか」は証拠によって争われることがあります。
メール、LINE、遺言書を確認した日、相続人間の書面、税務資料などから判断される可能性があるため、「まだ1年は始まっていないはず」と勝手に自己判断するのは危険です。
ケースごとの具体例を確認
次に、具体例から時効の起算点を見てみます。
ケース1:死亡時に遺言内容も
知った場合
父親が2026年1月1日に死亡したとして、その日に家族が遺言書を確認し、「全財産を長男に相続させる」という内容を次男も知ったケース。
この場合、その遺言によって自分の遺留分が侵害されることも認識していたのであれば、基本的にはその時点から1年の期間が問題になります。
ケース2:死亡後しばらくして
遺言書の存在と内容を知った場合
父親が死亡したことは知っていたものの、長男が遺言書を保管しており半年後になって初めて、「全財産を長男へ相続させる」という遺言の存在と内容を知ったケース。
この場合、死亡を知った日から機械的に1年を数えるとは限りません。
遺言書の内容から自分の遺留分が侵害されることをいつ認識したのかが問題になります。
ケース3:後から多額の生前贈与が
判明した場合
被相続人の死亡後、「遺産は少ないので遺留分は問題にならない」と思っていたところ、預金履歴を調査した結果、死亡前に長男へ数千万円の生前贈与がされていたことが判明するケース。
この場合も、その贈与が遺留分を侵害するものであることをいつ知ったのかが1年の起算点との関係で重要になります。
なお、相続開始から10年という期間制限は別に進行します。
2019年7月1日以前に開始した相続について適用されるのが「遺留分減殺請求権」です。
以前は遺留分減殺請求権により、遺留分を侵害された相続人は贈与・遺贈を受けた人に対し、不動産や金銭など相続財産そのものの返還を求めることができました。
しかし、現在の遺留分侵害額請求制度では、原則として財産そのものの返還を求めるのではなく、侵害額に相当する金銭の支払いを請求するものに法改正されています。
遺留分侵害額請求権の行使方法/
8つのステップ
では、遺留分侵害額請求はどのように進めていけばいいのか、順を追って見ていきましょう。
STEP1:遺留分を
侵害されている事実の確認
まずは、ご自身の遺留分が侵害されている(自分に遺留分がある)ことを確認するために、次の調査・手続きを行ないます。
- 遺言書の有無を確認
- 相続人調査
(すべての相続人を確認) - 相続財産調査
(すべての相続財産を確認) - 銀行などに取引履歴の開示請求
- 生前贈与の有無を確認 など
STEP2:遺言書の内容を確認
「すべての財産を長男に相続させる」など、遺言の内容によって遺留分侵害の事実がわかるので、見つかった場合は内容も確認します。
遺言書には、公正証書遺言、自筆証書遺言(法務局で保管されている自筆証書遺言も含む)などの種類があります。
STEP3:遺留分侵害額の計算
相続財産や生前贈与など財産の全体像が把握できたら、具体的な遺留分侵害額を計算します。
- 「遺留分算定の基礎となる財産 ×
個別の遺留分割合」により
大まかな額を
算出。 - 「遺贈や一定の生前贈与」、
「遺産から取得すべき財産」、
「承継する債務」などを考慮しながら
最終的な遺留分侵害額を算出。
不動産がある場合は評価額自体が争いになることがありますし、生前贈与や非上場株式などがある場合は計算が複雑になるため弁護士に相談されることをおすすめします。
STEP4:請求相手の特定
あなたの遺留分を侵害する財産を取得した受遺者・受贈者などが遺留分侵害額請求の相手になります。
たとえば、あなたが次男で、親の遺言書に「すべての遺産を長男に相続させる」と書かれていたなら、長男が請求の相手になります。
遺贈や贈与を受けていた人が複数であれば、「誰に」、「どの範囲で」請求するかという問題が生じるので、弁護士に相談されることをおすすめします。
STEP5:遺留分侵害額請求/
内容証明郵便の送付
あなたの遺留分を侵害している相手方に対して、遺留分侵害額請求を行ないます。
注意するべきは次の2点です。
遺留分侵害額請求を行なう
⇒ 遺留分侵害額請求権には時効があるため。
②まずは相手方に「内容証明郵便」を送る
⇒ 遺留分侵害額請求権を行使する旨の
意思表示をするため。
遺留分侵害額請求権には時効があるため、まずは、相手方に「内容証明郵便」を送り、遺留分侵害額請求権を行使する旨の意思表示をします。
電話や口頭だけでは、「そんな請求は受けていない」と後から争われる可能性があるからです。
通知書には、たとえば次のような遺留分侵害額請求権を行使することが明確にわかる内容を記載します。
内容証明郵便は、どのような内容の手紙を送ったのかを証明できる郵便ですが、相手が受け取ったことまでは証明されないため、プラスして「配達証明」をつけるべきです。
なお、財産調査が完了しておらず、正確な請求額がまだ計算できていない場合でも、1年の期限が迫っているのであれば、まず権利を行使する意思を明確に通知することを検討するのがいいでしょう。
(日本郵便)
STEP6:相手方との話し合い・交渉
相手方との交渉では次の点について話し合いをします。
- 遺産総額
- 生前贈与
- 不動産評価
- 遺留分侵害額
- 一括払いか分割払いか
- 支払期限 など
話し合いがまとまった場合は、合意内容を書面にして取り交わしておくことも忘れないでください。
なお、相手方が金銭を支払わない場合は、すぐに強制執行で財産や給料などの差し押さえができるように、合意書を「強制執行認諾文言付公正証書」にしておくのがいいでしょう。
STEP7:交渉不成立なら
調停に進む
交渉がまとまらない場合は、家庭裁判所に「遺留分侵害額の請求調停」を申し立てることを検討します。
調停とは、裁判官と調停委員が双方の事情を聞きながら解決を目指していくものです。
なお、調停を申し立てただけでは1年の期限対策にはなりません。
調停の場合も別途、相手方に権利行使の意思表示をする必要があることにも注意してください。
STEP8:調停も不成立なら訴訟
調停でも合意に至らない場合は、最終手段として訴訟を検討します。
裁判となると、さらに法的な手続きなどが必要になるので、弁護士に相談・依頼してください。
関する判例>
過去の判例では、遺留分の権利を行使する明確な意思表示をしていない場合でも遺留分減殺請求権の行使にあたる、としたものもあります。
「全財産が一部の相続人に遺贈され、減殺請求権を行使する者が遺贈の効力を争わない場合には、遺産の分配を求めるには遺留分減殺によるしかないので、特段の事情がない限り、遺産分割協議の申し入れに減殺の意思表示が含まれている。」
(最高裁平成10年6月11日判決)
しかし、これは判例の1つであり、「遺留分侵害額請求の意思表示ではない」とされてしまった場合は、権利が消滅してしまうリスクがあります。
確実に遺留分を確保したいのであれば、やはり法的に正確に意思表示をするべきです。
遺留分侵害額請求の
時効についての
注意ポイントまとめ
内容証明は「発送日」だけ
見ればよいわけではない
民法上、相手方に対する意思表示は、原則として通知が相手方に到達した時に効力を生じます(民法第97条)。
そのため、「1年の期限の最終日に内容証明を発送したから大丈夫」とは考えないでください。
期限直前になってから、あわてて発送するのではなく、相手方への到達まで考えて早めに対応しましょう。
なお、相手方が正当な理由なく通知の到達を妨げた場合については、民法第97条2項のルールが問題になることがあります。
受取拒否や長期不在などの場合の判断は個別事情によるため、期限が迫っている場合には弁護士へ相談するのが安全です。
遺産分割の
話し合いをしているだけでは
時効成立は阻止できない
相談者の中には、「兄弟で遺産について話し合っているから時効は大丈夫」と考えている方がいます。
しかし、たんに「遺産の分け方について話し合っている」、「相手には納得できないと伝えている」というだけでは、遺留分侵害額請求権を行使したことが明確ではありません。
遺産分割協議と遺留分侵害額請求は別の制度であることを認識してください。
期限が問題となる場合には、あくまでも遺留分侵害額請求権を行使する意思を明確に伝えることが重要です。
内容証明を送った後に
何年も放置するのは
リスクでしかない
たとえば、父親の死亡後10か月目に長男へ、「遺留分侵害額請求権を行使する」という内容証明郵便を送ったとします。
これによって、1年の期間内に権利行使をしたことにはなりますが、その後「兄から連絡が来ないのでそのまま5年以上放置した」という場合には、発生した金銭債権についての消滅時効が問題になります。
したがって、「期限内に内容証明を送ること」はゴールではなく、請求手続のスタートと考えたほうがよいでしょう。
相手方が支払いに応じないのであれば、交渉、調停、訴訟など次の手続きを検討する必要があります。
時効が迫っている場合は
「催告」と「権利行使」を
混同しない
一般の債権については、催告をすると一定期間、時効の完成が猶予される制度があります。
民法第150条では、催告があった場合、その時から6か月を経過するまで時効が完成しないと定めています。
(なお、同じ催告を繰り返すことで無期限に延長できるわけではないことに注意が必要です)
しかし、遺留分について重要なのは、民法第1048条の期間内に「遺留分侵害額請求権そのものを行使する」ことです。
たんに、「遺産について話し合いたい」、「資料を開示してほしい」、「納得できない」などと通知するだけでは、遺留分侵害額請求の意思表示として十分かどうか争われる可能性があります。
期限が迫っている場合は、曖昧な表現を避けることが重要です。
相手が複数いる場合も要注意
遺贈や生前贈与を受けた人が複数いるケースでは、請求相手にも注意が必要です。
たとえば、次のようなケースです。
- 長男が遺言で不動産を取得
- 長女が多額の生前贈与を取得
- 第三者にも遺贈がある など
民法第1047条には、受遺者と受贈者の負担順序や、複数の受贈者がいる場合の負担についてのルールがあります。
「長男に通知したから、他の受贈者についても当然に権利行使したことになる」わけではありません。
複数の受遺者・受贈者が存在する場合には、誰に対して権利を行使すべきかを早めに確認する必要があるため、弁護士にご相談ください。
みらい総合法律事務所は全国対応で、随時、無料相談を行なっています(事案によりますので、お問い合わせください)。
もちろん、秘密厳守ですから安心してご相談ください。
相続や遺留分でお困り事、心配事があるなら、まずは一度ご連絡ください。




































