交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

70歳父親の死亡事故の慰謝料を教えてください(年金受給者です)

2014年10月14日

70歳の父親が、交通事故で死亡しました。
仕事はしていませんでしたが、年金収入が年間80万円ありました。

この場合、慰謝料などの示談の金額はいくらになりますか?

弁護士からの回答

お父様がお亡くなりになったこと、心からお悔やみ申し上げます。

ご家族が死亡事故にあった場合に請求できる項目は、
主に①治療費、②葬儀関係費用、③慰謝料、④逸失利益があります。

まず、①治療費ですが、これは治療にかかった実費を請求していくことになります。

次に、②葬儀関係費用ですが、葬儀にかかった費用を請求していくことができるのですが、原則として上限は150万円までです。
もちろん、150万円を下回った場合には、実際に支払った金額を請求することになります。

次に、③慰謝料ですが、実務上では、亡くなった方の類型ごとに金額が決まっており、お亡くなりになった方が、

 一家の支柱の場合には、2800万円
 母親、配偶者の場合には、2400万円
 その他(独身の男女、子供、幼児等)の場合には、2000万円~2200万円

となます。

今回はお亡くなりになったのがお父様とのことなので、上記の類型によれば2800万円が相場なのですが、お亡くなりになった方がご高齢の方ですと、2000万円くらいまで下げられしまう傾向があります。

そのため、今回も慰謝料は2000万円が相当であると考えます。

なお、慰謝料の額は、行為態様の悪質性等の事情により、増額することはあります。

また、ご遺族の方の慰謝料も上記2000万円に全て含まれます。

次に、④逸失利益ですが、仕事はしていないとのことですが、年金を受給されていたので、年金分の逸失利益が認められます。

年金の逸失利益の計算式は、

 基礎収入×(1-生活費控除率)×平均余命に対応するライプニッツ係数

となります。

基礎収入は、事故前に実際に受給していた年金額が基準になります。

生活費控除率というのは、もし生きていれば収入のうち、何割かが生活費として消費されるところ、亡くなったことにより生活費も支出する必要がなくなったため、その分を控除しようというものです。

年金の場合、その多くが生活費に充てられるとの性格上、生活費控除率は50~70%とされることが多いです。

また、70歳男性の平均余命は、約15年(ライプニッツ係数10.3797)とされています。

したがって、年金分の逸失利益は、

 80万円×(1-0.5)×10.3797=415万1880円

が目安になります。

以上より、本件事故による(治療費を除く)損害賠償額は、

150万円+2000万円+415万1880円=2565万1880円

が目安となります。

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