交通事故の死亡事故・後遺障害被害者の質問に回答
交通事故弁護士相談Q&A|みらい総合法律事務所

12歳の息子死亡の交通事故の示談金は?

2020年05月03日

自動車事故で12歳の息子を亡くしました。20キロのスピードオーバーで、登校中の息子をひいたのです。事故の目撃者が数人いて、刑事事件であるにもかかわらず、加害者の若者は自分の過失責任を棚に上げて、息子のせいにしようとしています。

ところで、刑事事件の罪が確定する前に示談するのはよくないと聞きましたが本当でしょうか? 交通事故に強い弁護士さんを探しています。よろしくお願いします。

弁護士からの回答

本件の場合は、刑事事件の罪が確定する前に示談をすることは良くないと考えられます。

なぜならば、事故時の加害者のスピードや刑事手続での供述の内容によっては、民事手続における加害者に請求することができる慰謝料の額が増額される可能性がありますし、刑事手続で証拠として提出される速度超過に関する鑑定書等が過失割合を算定するに当たり重要な証拠となるからです。

そこで、まず、本件事故における慰謝料について説明いたします。

慰謝料については、ご本人自身の慰謝料のほか(ご本人分の賠償請求権は、ご両親が相続することになります)、ご両親も固有の慰謝料を請求する権利を有します。

その金額は、裁判基準として、請求できる方全員分の合計額として基準があり、ご子息の場合は、2000万~2200万円とされています。

もっとも、加害者の過失が重大であったり事故態様が悪質であったりする場合や、加害者の事故後の態度が著しく不誠実である場合には、上記慰謝料の基準額よりも増額されることがあります。

そこで、時速20キロメートルのスピードオーバーの場合、民事手続における過失割合の判断においては著しい過失と判断されますが、その原因等も合わせて慰謝料を増額すべき重大な過失があったと主張立証するには、刑事手続において速度超過と認定されることが重要となります。

また、加害者が虚偽の供述等をして責任を否認している場合には、責任を否定したというだけでなく、常識に反するような対応をしたなど加害者の事故後の態度が著しく不誠実であると主張立証することとなり、加害者が刑事手続でどのような供述をしたのかも重要となります。

以上から、特に本件の場合には刑事手続でどのような判断がなされるか、また加害者がどのような供述をするのかを明らかとするために刑事手続を終えてから示談をすると良いでしょう。

加害者に対する損害賠償請求の時効は、「損害及び加害者を知った時」(民法724条)から物損については3年、人身損害部分については5年です。あるいは、損害及び加害者がわからなかったとしても、事故日から20年を経過すれば時効により消滅します。

この相談を見た人はこちらも見ています

交通事故の弁護士無料相談

交通事故の後遺障害1級~14級・死亡事故のご相談は無料です

交通事故の慰謝料自動計算機