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弁護士法人みらい総合法律事務所

税理士の広告規制

監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
 代表社員 弁護士 谷原誠

最終更新日 2025年10月8日

今回は、税理士の行う広告について解説します。

「税理士会会員の業務の広告に関する運用指針(日税連示達)」によると、広告とは、日税連の、新聞・雑誌・書籍・テレビ・ラジオ・ホームページ等のほか、名刺・ハガキ・便箋・封筒・チラシ・リーフレット・名簿・ポスター・看板・ノベルティ(無料で配布する広告商品)等のあらゆる媒体による情報開示はすべて広告に該当するとされています。

したがって、ホームページを持っている全ての税理士は確認しておく必要があります。

税理士法第46条は、「財務大臣は、・・・税理士が、この法律若しくは国税若しくは地方税に関する法令の規定に違反したときは、第四十四条に規定する懲戒処分をすることができる。」と規定し、第39条は、「税理士は、所属税理士会及び日本税理士会連合会の会則を守らなければならない。」と規定しています。

したがって、税理士が日税連等で定めた会則を守らないときは、懲戒処分を受ける可能性があります。

日税連の「会員の業務の広告に関する細則」では、次の広告が禁止されています。

1.事実に合致していない広告

2.誤導又は誤認のおそれのある広告

3.誇大又は過度な期待を抱かせる広告

4.困惑させ、又は過度な不安をあおる広告

5.他の会員又は会員の事務所と比較した広告

6.法令又は日本税理士会連合会若しくは本会の会則及び規則に違反する広告

7.上記の他、税理士の信用又は品位を損なうおそれのある広告

8.税務行政庁在職時の具体的役職名

9.委嘱者の氏名又は名称

10.現在取扱い又は委嘱されている事案

11.過去に取扱い又は委嘱された事案

但し、8~11は、委嘱者の書面による同意があるときは除くとされます。

具体的に、どのような広告が違反と判断されるか、ですが、「税理士会会員の業務の広告に関する運用指針(日税連示達)」で違反の例として挙げられていますので、ご確認ください。

今回は、国税OBの先生に関して違反とされているものを挙げておきます。注意が必要です。

例 元国税職員は調査実務に長けています。

例 元大物OB税理士

例 国税局等で長年調査や審理をしていたので、他の税理士事務所よりも調査対応に優れています。

例 元国税○○の税理士ならではの豊富な人脈・情報

例 元○○国税局長・元○○税務署長

例 元○○県税事務所長・元○○市役所税務課長

なお、国税OB税理士の場合には、次のような記載があります。

「元税務署長」、「元国税職員」、「元県税事務所長」、「元市役所税務課長」等のように具体的管轄地域名を冠していない税務行政庁の役職名を広告することは、事実に合致していれば用いることができるが、その役職名に加え、「広い人脈を持っています」、「税務調査のポイントを熟知しています」等、ことさら前職名を誇示し誤解を与えるような文言を用いることは、納税者に過度な期待を抱かせることとなり、表示することはできない。

次に、広告表現は、いわゆる景品表示法の規制を受けます。

景品表示法では、商品・サービスの品質や性能について、実際よりも著しく良いかのように示したり、事実に反して他社よりも優れていると示す広告表示(優良誤認表示)や、商品の価格や取引条件について、実際よりも著しく有利(安い、得である等)に見せたり、他社より有利であると示す広告表示(有利誤認表示)が禁止されます。

そして、立証責任が広告主側にあるので、実際に「No.1の実績」なのかどうか、などの根拠を示さなければ違反と認定されます。

違反と認定された場合には、課徴金や罰則などの不利益もあります。

罰則などを受けた場合は、税理士の信用を害することとなりますので、税理士法第37条に該当し、懲戒処分を受ける可能性があります。

注意が必要です。

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