Q2.住宅品質確保促進法

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Q

2.住宅品質確保促進法

住宅品質確保促進法とはどのようなものですか?
平成12年の4月から住宅品質確保促進法が施行されたということですが、どのような内容のものなのでしょうか。またこの法律によって建築業界に何か影響はあるのでしょうか。

法律制定の経緯

欠陥住宅についてのトラブルは以前から後を絶たず、また建築という専門的トラブルであるため、裁判でも紛争解決にかなりの長い年月を要してきました。そこで住宅に関するトラブルを未然に防ぎ、また万一トラブルが発生した場合にも紛争を速やかに処理できるよう、平成11年6月23日に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が制定、公布されました。

住宅品質確保促進法の柱

この法律は、(01)住宅の品質確保の促進、(02)住宅購入者等の利益の保護、(03)住宅に係る紛争の迅速かつ適正な解決、を図ることを目的としています。そのために、法は(01)住宅の性能表示、評価システムの創設、(02)瑕疵担保期間の最低10年間の義務づけ、(03)紛争処理体制の整備、についての規定を設けました。

住宅性能表示・評価システムについて

これは次のような内容のものです。

  1. まず構造耐力、遮音性、音エネルギー性、防・耐火性、採光・換気性、長寿社会対応性などの住宅性能を表示するための基準を定め、住宅性能のランク付けをわかりやすくしました。
  2. そして住宅の性能を客観的に評価できる第三者機関(指定住宅性能評価機関)を整備しました。
  3. ③「指定住宅性能評価機関」は評価基準に従って住宅の性能評価を行い、「住宅性能評価書」を発行します。
そして「住宅性能評価書」を契約書に添付したり、注文者または買主に交付した場合は、その記載内容(住宅性能)が契約内容として保証されることになりました。つまり「評価書」と違う工事がなされれば、それだけで補修工事をしなければならなくなったのです。
なお、この制度はすべての建物に適用されるものではありません。その制度を利用するかしないかは住宅供給者または取得者の選択によります。そしてこの制度を利用するときは特別に費用がかかります。(現時点では金額についてはっきり決まっていませんが、10万円程度といわれています。)

瑕疵担保の期間について

現行の民法による瑕疵担保責任の期間は、売買契約の場合は事実を知った時より1年間、請負契約の場合は木造建物や地盤については引渡を受けてから5年間、堅固な建物(鉄骨造、RC造)については10年間とされています。また特約によりこの期間を短縮することができ、実際にも1年、2年とされている契約書が数多く見受けられます。しかしこの法律では、建物の基本構造部分(柱や梁の構造耐力上主要な部分、雨水の侵入を防止する部分)については、請負でも売買でも、瑕疵担保期間は引渡の時から10年間としました。そしてこの期間を短縮する特約は無効なものとされています。なお、特約によってこの期間を20年間に延長することが可能です。

紛争処理体制について

「住宅性能評価書」が交付された住宅に関する紛争処理のため、「指定住宅紛争処理機関」とそれを支援する「住宅紛争処理支援センター」とが設けられました。「指定住宅紛争処理機関」としては、もっぱら各都道府県の弁護士会が紛争処理に当たります。そしてそこでは、斡旋や調停、仲裁といった通常の裁判とはちょっと異なる手続が行われ、紛争を迅速に解決しようとしています。

法律の施行時期、適用範囲

この法律は平成12年4月1日に施行されますが、10年間の瑕疵担保期間は4月1日以降に契約されたすべての物件に適用されます。反対に施行前に締結された契約については、この法律の適用はありません。住宅の性能表示、評価制度については、平成12年10月ころからスタートする予定です。そしてこれに関して紛争が生じるのはもう少し後になりますから、「指定住宅紛争処理機関」が実際に機能し出すのは来年以降ということになるでしょう。

建築業者への影響

瑕疵担保期間が10年間に延長され、またそれが義務化されたため、建築業者は長年、補修工事代金を確保しておかなければならず、中小企業においては経営問題に発展しかねません。また欠陥工事が会社にとって命取りになる可能性もあります。したがって今後はいい加減な工事は許されなくなってきます。将来は、欠陥工事に関する保険制度も充実してくるのではないでしょうか。
住宅の性能表示、評価制度については、大手の住宅メーカーが自社建物の信頼確保やPRのために積極的に利用してくるのではないかと想像しています。またこのような制度の先駆者であるフランスにおいては浸透率が37.3%にのぼり(1997年度)、最近ではデベロッパーも採用してきているとのことですので、我が国においても戸建て住宅だけでなくマンションにもこの制度が浸透していくものと考えています。以上のように、建築業界にとってはかなり厳しい面もありますが、反対に大きなビジネスチャンスにもなるのではないでしょうか。

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