
商工ファンド対策弁護団が関東財務局に行政処分を要請(2001/8/9)
「日栄・商工ファンド対策全国弁護団」が平成13年8月9日、関東財務局に対し、商工ファンドの行政処分を求める申告書を提出しました。理由は、商工ファンドから融資を受けている債務者から債務の整理について委任を受けた弁護士が、商工ファンドの金利が利息制限法に基づく利息を超える金利だとして、利息制限法所定の金利計算をし、超過支払があるとして過払い金の返還を求めると、商工ファンドは、これに対し、連帯保証人の給与を仮差押する、というケースが増えているためです。
なぜこれが違法かというと、これまで債務者は、利息制限法所定の金利を超える金利を支払ってきており、その分は元本に充当されたものとして考えられるので、取引を長く行っていると、すでに借金は全て返済し、むしろ多く支払過ぎている分があります。したがって、商工ファンドが債務者や連帯保証人に対し請求できる金銭が何もないにもかかわらず、給与仮差押等を行うからです。給与仮差押がなされると、サラリーマンは会社で事情聴取され、場合によっては解雇等される恐れもあります。商工ファンドは、昨年までは弁護士が介入した場合には、利息制限法所定金利での引き直し計算による和解に応じてきましたが、今年に入って方針を変更し、利息制限法引き直し計算には一切応じず、このようにいきなり給与仮差押をするケースが増えていることから、弁護団が申告に踏み切ったものです。今後、関東財務局がどのような判断を下すか見守りたいと思います。
人のメールをのぞき見ると(2001/8/9)
他人のパスワードを使ってインターネットの電子メールサーバに接続し、メールをのぞき見ると、犯罪が成立します。平成12年に施行された「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」です。このような不正アクセスを行った場合、同法により、一年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。この法律により、逮捕・起訴されるケースが最近見られるようになりました。
さらに、平成13年8月9日には、電子メールの内容が「通信の秘密」に該当するとして、「電気通信事業法」違反の疑いで、神奈川県の会社員を警視庁が検察庁に送致しました。この法律に該当することになると、「2年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
このように、他人のパスワードを使って不正に他人のメールを見た場合、重い刑罰が規定されていますが、実際に犯罪を行って逮捕された人は、それほどの罪の意識をもっておらず、安易に興味半分で他人のメールをのぞき見るケースが多いようです。このような刑罰に触れる行為であることを周知し、くれぐれもオモシロ半分で他人のメールをのぞき見るようなことはやめなければなりません。
逸失利益を性別で判断するのは違法(2001/8/20)
1999年に交通事故により亡くなった当時11歳の女児の両親が起こした損害賠償請求事件において、女児の逸失利益(その女児が将来仕事等をして一生涯で得られたであろう利益から推定生活費等を差し引いた金額)が争われた訴訟で、東京高裁は、2001年8月20日に、高校卒業か、少なくとも義務教育終了までに死亡した事案においては、男女同一とすべきである、として、男女同一の基準により逸失利益を算定する判決を出しました。
これまでは、一般的に男子より女子の方が生涯得られる利益が少ないという理由により、男女異なる基準が適用されてきましたが、男女平等の社会となり、性別ではなく、能力が問われる社会となってきたことを反映し、このような判決が出されたものと思われます。特に、女児を亡くしたご両親にとっては、まだ働いてもいないうちから、男子よりも劣ったものとして判断されてしまうことは耐え難いものがあると思われます。
しかしながら、他方で、これまで通り、男女異なった基準を適用すべきという東京高裁の判決もあり、今後、最高裁でどのような判決が出されるのか、注目されています。
2014/12/30(火) カテゴリー: