2. 不動産トラブルQ&A

2. 不動産トラブルQ&A

不動産のトラブル対策

不動産トラブルQ&A

判例に現れた事例を3つの分野でまとめてみました。必ずしも一般化はできませんが、類似事例の参考になりますので、ご参照下さい。

分野1 「登記官の過誤で国家賠償は成立するか?」

登記官には厳格な監視義務が課せられるが、他方融資をする方には、登記簿だけを信じればいいということにはならず、大幅な過失を認定する傾向がある。

Q

登記官の過誤で抵当権の仮登記が朱線で抹消のような外観があったので、14億の融資したが、実際は抹消予告登記をすべきであった。先順位の仮登記が本登記となり競売の結果配当を受けられなかった抵当権者は国に賠償を求められるか?

過誤登記と因果関係があるから賠償義務があるが、「訴提起」と原因が登記簿に記載があるから調査をしてみるべきで「抹消予告登記」の過誤とわかるはずで、融資をした方に8割の過失あり。(東京高裁96・11・27判時1590-67)

Q

閲覧に際して登記簿を持ち帰り、自己に名義変更したように偽造した上、抵当権の融資を受けた。登記官の監視義務違反で抵当権者は国に賠償を求められるか?

登記官は、閲覧させるに際して、原本抜き取り、改ざんなどを防止する監視義務があり、これを怠った過失があるが、権利証もなく、他に抵当権設定ないのに高利を借りようとした不自然な借り主なのに、融資者は、前所有者に確認もしない、固定資産評価証明も確認しない、前回の返済もないのに追加融資をしたなどから7~9割の過失を認定。(広島地裁95・5・30判時1566-110)

分野2 「自殺は建物の瑕疵となるか?」

自殺は瑕疵(民法577条)に該当するというのが通説で、マンション売買で6年前の自殺を告げなかったのは瑕疵とされる。では山間部ではどうか。また競売の場合の「損傷」(民事執行法75条1項)にあたるのか。

Q

競売物件を買い受けたが、現況調査報告書や物件明細書に記載のない、2年前に共有者の一人が2~300メートル離れた山林で自殺したことが判明した。売却許可決定の取り消しを求められるか?

交換価値に著しい減少をもたらせば取消事由になるが、本件では何らかの影響は伺えるが、そこまではいえない。(仙台高裁96・3・5判時1575-57)

Q

土地建物を買い受けたが7年前に付属建物の物置で売り主の前所有者が自殺していたことが判明した。解除できるか?

解除できる。いわく付きと知っていれば絶対購入しなかった。
(東京地裁95・5.31判時1556-107)

分野3 「使用貸借はいつ返還を求められるか?」

「使用貸借」は「無償で貸すこと」で、借り主の死亡、使用収益すべき期間の経過によって終了するとされる。

Q

昭和53年来、義弟(妹の夫)に土地を無償で貸し、義弟が建てた家に義弟死亡後も未亡人らが居住している場合に、建物収去土地明け渡しを求められるか?

家族も居住しているような場合「借り主死亡」を終了事由とは出来ないが、本件では、原告が土地を利用しなけれならない事情や立ち退き交渉野経過も考慮し、「使用収益をなすに足る期間が経過した、として終了を認めた。(東京地裁95・9.22判時1570-70)

Q

お互いに無償で建物敷地と通路として使用する合意があり、敷地に相手方が新築建物を若干はみ出した場合、それを理由に使用貸借の解除を主張して通路としての使用をさせないようにできるか?

敷地を貸している方は若干はみ出されても不利益ないが、通路を借りているほうは公道に行けないから不利益は極めて大きくので、この解除は権利濫用となり、許されない。(東京地裁95・10.30判時1573-39)

2014/12/25(木) カテゴリー:

【受付時間】
平日10:00~18:00
【定休日】
土・日・祝
ページの先頭へ
Copyright © みらい総合法律事務所. All rights reserved.